PBR ROE 自己資本比率 配当性向 配当利回り 1.2 10% 60% 36% 3% あれ、PERってなんだっけ、PBRってなんだっけ、ROEってなんだっけ…。3文字英語が多すぎて、何がなんだかわからなくなってしまいますので、ここでいったん整理しましょう。
3文字英語を日本語で理解しておこう
それでは、いくつか覚えておく必要がありそうな3文字英語を、ここにまとめておきましょう。
ROE(Return on Equity)
ROEは、自己資本利益率の略。 ROE (%) =当期純利益 / 自己資本×100 で求めることができます。 補足:ROE=売上高純利益率×資本回転率×財務レバレッジで求めることもできます。 ROE=(当期純利益/売上高)×(売上高/総資産)×(総資産/自己資本)×100
ROA(Return on Assets)
ROAは、総資産利益率の略。 ROA (%) =当期純利益 / 総資産×100 で求めることができます。
DPS(Dividend Per Share)
DPSは、一株あたり配当金の略。 DPS (円) =配当金総額 / 発行済株式総数 で求めることができます。
EPS(Earnings Per Share)
EPSは、一株あたり当期純利益の略。 EPS (円) =当期純利益 / 発行済株式総数 で求めることができます。
PER(Price Earnings Ratio)
PERは、株価収益率の略。 PER (倍) =株価 / 1株当たり当期純利益 で求めることができます。
PBR(Price Book-Value Ratio)
PBRは、株価純資産倍率の略。 PBR (倍) =株価/ 1株当たり純資産額(簿価) で求めることができます。 ※1株当たり純資産額(簿価)=BPS(Book-Value Per Share)は、 BPS (円) = 純資産額(簿価)/ 発行済株式総数 で求めることができます。 ※ここで使用されている純資産額は、貸借対照表上の純資産の部ではなく自己資本(株主資本)を指していますので、 PBR (倍) =株価/ 1株当たり自己資本(簿価)と捉えてOKです。
配当性向・配当利回りも押さえておこう
3文字英語以外にも重要な2つの指標、配当性向と配当利回りについてもここで押さえておきましょう。
配当性向
配当の支払いがどれほどの余力をもってなされているかを示す指標です。
配当性向 (%) = 配当金総額 / 当期純利益×100
会社が事業によって得られた利益をどれくらい株式に還元しているかを示しています。配当性向が高い会社は株主に多くの利益を還元していると言えますが、会社に残る資金が少なくなるため、高ければ良い、と単純に言えるものでもなく、配当性向を低くして投資に回すことで成長するという選択肢もあり得ます。
配当利回り
購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けることができるかを示す数値を配当利回りと呼びます。
配当利回り (%) = 1株当たり配当金 / 株価×100
例えば、配当金1000円で株価が30万円の株式と、配当金が900円で株価が24万円の株式があった場合に、どちらを購入するのか得かを判断する時に使います。
与えられた指標をすべて式に書き出してみよう
それでは、問題文で与えられている指標、PER、PBR、ROE、自己資本比率、配当性向、配当利回りを、一同に書き出してみましょう。
PER (倍) =株価 / 1株当たり当期純利益
PBR (倍) =株価 / 1株当たり自己資本(簿価)
ROE (%) =当期純利益 / 自己資本 × 100
自己資本比率 (%) = 自己資本 / 総資本 × 100 配当性向 (%) = 配当金総額 / 当期純利益 × 100
配当利回り (%) = 1株当たり配当金 / 株価 × 100
今回求めるPERですが、他指標との単位を揃えるために、1株あたりではなく、発行済株式総数を用いた値に変換しておきます。
PER (倍) =
株価 / 1株当たり当期純利益 =
株価×発行済株式総数 / 1株当たり当期純利益×発行済株式総数 =
株式時価総額 / 当期純利益 PBR (倍) =株価 / 1株当たり自己資本(簿価) =
株価×発行済株式総数 / 1株当たり自己資本(簿価)×発行済株式総数 =
株式時価総額 / 自己資本
そうすると、PERをPBRとROEで求めることが可能になります。
PER(株式時価総額 / 当期純利益) =
PBR(株式時価総額 / 自己資本)/ ROE(当期純利益 / 自己資本)=
1.2 / 0.1 = 12(倍)が答え、となるのです。
ちなみに、PER、PBR、ROEの関係から、
PER = PBR / ROE(株価収益率=株価純資産倍率/自己資本利益率)
PBR = PER × ROE(株価純資産倍率=株価収益率×自己資本利益率)
ROE = PBR / PER(自己資本利益率=株価純資産倍率/株価収益率)
が成り立ちます。 また、配当性向、配当利回りからPERを導くことも可能です。
PER=株式時価総額 / 当期純利益
と表すことができるので、
配当性向(配当金総額/当期純利益)/ 配当利回り(1株当たり配当金 / 株価) =
(配当金総額/1株当たり配当金)×(株価/当期純利益)=
株式数×株価 / 当期純利益 =
株式時価総額 / 当期純利益 =PER
となります。 よって、36 / 3 = 12(倍)が答え、となるのです。
PBRが少し厄介
PBRを算出する時に使われる純資産は、自己資本を指します。
純資産は「自己資本+少数株主持分+新株予約権」の合計を指しますので、正確には純資産≠自己資本なのですが、診断士の勉強上は純資産=自己資本として扱って解き進めるようです。
「純資産」を見たら「自己資本」、「自己資本」を見たら「純資産」と結び付けられるようにしておきましょう。 ではまた!
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