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      倫理研修会を受けてきました。

      こんにちは。街づくり行政書士の遠藤です。

      行政書士は、登録して1年以内、その後も5年に1度、倫理研修を受講することが義務付けられています。

      ごくごく一部の方だと思いますが、懲戒処分につながったり、逮捕につながる行為をする行政書士が生まれている状況が続いており、こうした事態を防ぐため、また、依頼者から信頼され得る立場としてふさわしい倫理観を保つために、このような研修がひらかれているようです。

      今回研修が開催されたのは中野ゼロホール。私の住んでいる西多摩からは1時間以上かかりますが、中央線で乗換なし。北区や江戸川区だとさらに30分かかるので、新宿から西側ならぜんぜんOKですね。

      目次

      会長あいさつ

      研修会の冒頭に、東京都行政書士会・宮本重則会長から挨拶がありました。

      交付式の時もお話されていましたが、「かかりつけの行政書士」という考え方を広めていきたい、と。顧問弁護士、顧問税理士と同じような「顧問行政書士」でしょうか。建設業や障害福祉にように、定期的に行政書士が関われる作業のある業種であれば、「顧問」という考え方は根付きやすいなーと聞いていて思いました。

      会長のお話は続きます。

      • コロナ対策を含めた職域の拡大・確保を進めていく
      • デジタル化への対応

      今進めていることが、上記の2つである、とのこと。新型コロナウィルス感染症に関する補助金については、その多くが行政書士業務となっているものの、行政書士ではないブローカー等が暗躍している実態があるそうです。行政書士の関わる提出書類は、税理士や社労士の扱う書類とは異なり、記名代理申請欄がなく、これまで行政書士は、提出書類の空いている場所に署名していた、と。

      行政書士会ならびに関係者・議員・行政等の動きにより、Gotoトラベルの事業者登録申請欄で、はじめて記名代理申請欄を設けることになったそうです。デジタル化が進み、オンライン申請が増えるなかで、代理申請欄をシステムのなかに組み込んでいくことを、行政書士会として、さらに進めていきたいとおっしゃっていました。

      ちなみに、令和3年の行政書士試験の受験者は、令和2年度に比べても増加傾向にあるそうです。

      倫理研修の中身で気になったポイント

      さて、今回の研修は「倫理研修」ですので、倫理的な話が立て続けに行われました。そのなかで気になったポイントだけ、ピックアップしてみようかと思います。

      行政書士で違反が多い法令

      行政書士で懲戒の対象になる事案が多い法令には、こんなものがありますよ、という内容です。

      行政書士法第1条の2第2項(業務)

      行政書士は、他の法律において制限されているものについては、業務を行えませんよ、という条文ですね。たとえば他士業法違反について。弁護士法第72条(弁護士でない者は、報酬を得る目的で「法律事件に関する事務」を行ってはいけない)、司法書士法第73条(法務局・裁判所・検察庁への提出書類の作成・相談はNG)、税理士法第52条(税務官公署に対する申告書の作成はNG)などなど。

      行政書士法第6条の4(変更登録)

      住所・氏名、生年月日、事務所名称、事務所所在地等を変更したら、すみやかに登録してください、という条文です。私も行政書士登録をしてから約2ヶ月で事務所名称や電話・FAX番号を変更したので、東京都行政書士会に速やかに変更届と郵便小為替(4000円分)を送付しました。

      変更すると、当然ですが身分証も変更になるんですよね。そうすると、顔写真も変更することになります。顔写真を変更したい方は(以下略) 逆に言えば、変更事由がない限り、行政書士登録した時の身分証を何十年も携帯するということになるんですかね? それはそれで身分証の役割を果たすのかな、と単純な疑問が…。

      行政書士法第9条(帳簿の備付及び保存)

      業務に関する事件簿をちゃんとつけましょうね、という条文です。事件名称、年月日、報酬の額、依頼者の住所氏名等の記載が必要です。仮に毎日、日誌のようなものをつけていたとしても、定められた事項の記載を忘れていれば当然にNG。懲戒の対象なので、気をつけましょう。

      行政書士法施行規則第10条(領収証)

      行政書士は指定の領収証を使ってくださいね、という決まりです。正副2通の領収証を作成し、副本は、作成の日から5年間保存しなければなりません。

      職務上請求書の利用は厳格に。

      行政書士が職務遂行上、戸籍謄本や住民票の写しが必要な場合、依頼者に代わって行政庁に交付請求することを「職務上請求」といい、「職務上請求書」を用いてこれを行います。ちなみに、今日受けた「倫理研修会」を受講しないと、職務上請求書を購入できない仕組みになっているようです。

      職務上請求書を用いることで、本人でなくとも、戸籍、住民票、住民票記載事項証明書の交付を受けることが可能になりますが、その権限の大きさに伴い、厳格な運用が求められています。過去には探偵業者に1枚いくらで売ってしまうなど、職務上請求書の不正使用による逮捕者まで発生しています。

      例えば、「Aからの依頼を受け、Aの住民票の取得のみを代行する」(単純代行)行為や、「生命保険の保険金受取人と連絡がとれないので、住所を調べてほしい」みたいな住所調査行為では、職務上請求書は使えません。「他人から適正な業務の依頼を受け、報酬を得ることを前提として、官公署に提出する書類または権利義務・事実証明に関する書類を作成するために、戸籍謄本等の取得を必要とする正当な理由がある場合」に使用は限られています。

      使う前に、「取得した戸籍・住民票を用いて、官公署に提出すべき書類ってなんだろう…」と、一人ひとりが考えてみることが、不正利用の防止につながるのかもしれません。

      現在の職務上請求書は、彩文(模様)が入っていたり、透かしが入っており偽造が難しい仕様となっています。また、シリアルナンバーが記載されており、追って不正がないか行政書士会でチェックできる体制となっているため、現在は不正使用すると、かなりの確率でバレてしまう仕組みになっているようです。

      帰りは都庁に寄って…

      学生時代はあんなに授業が嫌いだったのに、大人になると研修が楽しく感じるのって、どうしてなんでしょう。今回は倫理研修なので、ビジネスに直結するものではありませんが、「倫理観」っていろんな場面に活きてくると思うんですよね。行政書士の業務だけでなく、日常生活や家庭においても。学んだことを忘れず、心の片隅に仕舞っておこうと思いました。

      研修帰りは、東京都庁の都民情報ルームへ。
      都心に出てくることって、めったにありませんからね^^;

      NPO設立のために「特定非営利活動法人ガイドブック」を購入しに行ったのですが、他にも面白そうな冊子があったので買ってきちゃいました。「金融の手引き」と「『未来の東京』戦略」、どちらも今使うものではありませんが、時間があるときにでも眺めてみようと思います。

      今日はこんなところで。街づくり行政書士の遠藤でしたー。

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