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      リスキリングで注目のIT系、文系国家資格とは?

      たかが資格、されど資格。

      2022年10月。岸田文雄首相がリスキリングや成長分野に移動するための学び直し支援を行うことを表明しました。停滞する日本経済やAIの台頭によって、今まで長く働いていた仕事であっても、いつ無くなってもおかしくない時代。ジョブチェンジの鍵となる「資格」が、今大きな注目を浴びています。

      世の中、何千もの資格がありますが、国家資格に絞っても300以上あると言われています。今日はその資格のなかから、リスキリングで求められる文系、IT系国家資格について難易度、受験者動向について調べてみました。

      私がど文系人間であり、理系のことが分からず、適当なことを書くわけにもいかないので今回は解説対象から省いています。申し訳ございません…!

      リスキリングで注目される、DXの知識。

      リスキリングとは
      ―DX時代の人材戦略と世界の潮流―(経済産業省)
      https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/pdf/002_02_02.pdf

      経済産業省の資料によれば、リスキリングとは

      リスキリング

      リカレント教育が「個人の意思」による学び直しなのに対し、リスキリングは企業目線による従業員・役員のスキルアップ的な学び直しです。会社が今のままのビジネスモデルでは先細りになってしまう時、更に専門特化したビジネスモデルにしたり、業態転換を図ったり、ITシステム導入により大幅なコストダウンを行ったり、それに応じて従業員等にはかなりの勉強が求められるでしょう。

      なので、一言に「リスキリング」と言っても、それぞれに求められる学びの内容はバラバラなのです。ただし全般的な流れとして、現在はDX(デジタルトランスフォーメーション)関連の知識が注目を集めています。新たなデジタル技術を使って新たなビジネスモデルを創り出せる人材が社内にいないと、社内のレガシーシステムを更新できず、企業に大きな損失が発生することになります。

      まずはITパスポート試験を受けてみよう

      【ITパスポート試験】情報処理推進機構

      IT系国家資格の登竜門的な試験が、IT系パスポート試験です。社会人8割・学生2割、非IT系8割・IT系2割の受験比率。まさに、非IT系の社会人がIT関連の基本的な部分を学習するのに丁度良い資格となっています。

      10年前は「IT企業に勤めるなら、この資格くらい入社前に取っとけ」なんて言われてましたが、今となってはIT系のみならず社会人として生きていく上で必須の知識が身につく資格、といっても過言ではないでしょう。ITに疎い自覚のある方に、ぜひ受けていただきたい試験です。

      合格率は50%前後と簡単そうに見えますが、100時間程度の勉強時間が必要とされており、全くの無勉強だとちょっと手強いかも。

      基本情報を飛ばして応用情報技術者試験を受けるのもアリ。

      DXで求められるのはIT関連の知識だけではなく、マネジメント系やストラテジ系といった、経営・法律的な知識を含めた幅広い知識です。

      試験範囲が広く浅い「ITパスポート」の上位資格にあたるのが「基本情報技術者試験」ですが、これはプログラマ向けの試験内容となっており、文系知識に自身のある方は、基本情報技術者試験よりも「応用情報技術者試験」の方が簡単に解ける可能性があります。応用情報技術者試験はマネジメント・ストラテジ系の知識で解ける問題が多いのです。

      応用情報技術者試験の合格率は20~25%、ある程度知識のある方で200時間以上の勉強時間が必要とされています。何も知識が無い状態からだと約500時間以上の勉強時間が必要と考えて良いかと思います。

      応用情報技術者試験に合格すると、同じく難関国家資格である中小企業診断士試験の科目一部免除、弁理士試験の選択科目(理工Ⅴ)が免除、警視庁サイバー犯罪捜査官(特別捜査官)の巡査部長の受験資格が与えられたりと、何かとメリットのある資格です。

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      マネジメント系IT最難関資格、ITストラテジスト。

      ITストラテジストはITSS(IT Skill Standard/ITスキル標準)のなかでは、7段階中の4段目、「レベル4」ですが、IT系国家資格では最上位資格のなかの1つです。ちなみにITパスポートがレベル1、応用情報がレベル3です。

      ITストラテジストはITを活用した事業革新、業務改革、革新的製品・サービス開発を企画・推進又は支援する業務に従事し、事業戦略の策定やシステム化を進めていく立場の方に求められる資格です。経営者の立場でどのような意思決定をするか、という目線の問題が多いため、CIO(経営情報責任者)やITコンサルタントの方が取得すると活かしやすいかもしれません。

      前述のとおり、ITストラテジストは「レベル4」扱いですが、前身の「システムアナリスト試験」がレベル5として扱われていたこともあり、現在でもその他IT系資格を取得した方が集大成として受けることの多い資格試験です。

      また、IT系の資格としては唯一、「専門的知識等を有する労働者」として指定されており、弁護士、公認会計士、医師、社会保険労務士等と並んで、労働基準法上、有期労働契約の契約期間上限の例外となります。

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      リカレントでおすすめ。独立のできる国家資格。

      リスキリングと異なり、自分の意思で学び直しを図るリカレント。

      昭和や平成の「終身雇用制度」での働き方であれば、大学を出て就職すれば、退職するまでは同じ会社で働き続けることがごく普通の働き方でした。

      ですが、今、そしてこれからの世界では転職、あるいはフリーランスがもはや主体的な働き方となっていくでしょう。そうすると、複数の働き方がひとりのなかに同居するのが当たり前なので、ポートフォリオのように、いくつもの仕事手段を抱えながら生きていくことになります。例えば平日は非常勤の大学教員、夜はZoomにてキャリアコンサルタントとして仕事、土日は休みながらもアフィリエイターとしてホームページの構築、というように。

      何か一つの仕事を失っても他の仕事で食いつないでくスタイルの生き方では、そのなかに安定的な仕事がひとつでもあるとずいぶん楽になります。例えば週に20時間は雇用され、残りの時間を副業に充てるような生き方です。

      ただし雇用となると、物理的・時間的な拘束時間が長くなりますので、より柔軟な働き方としてオススメなのが、比較的安定していると言われる「国家資格」を使った仕事です。一般的なフリーランスと比べると安定して仕事があるのが魅力です。

      社会保険労務士

      社会保険労務士(社労士)は人事・労務・年金・保険のスペシャリストです。街で「社会保険労務士事務所」を見かけることも多いと思いますが、独立開業できる国家資格です。

      合格率は7%前後ですが、2022年度試験では5%台とかなりの難関資格となっており、1年未満での合格はかなり難しいと言われています。厚生労働省系の助成金の代理作成・代理申請では必須の資格となり、他の補助金申請を得意とする中小企業診断士や行政書士とのダブルライセンスでお仕事をされる方も多くいらっしゃいます。

      目指すのであれば、2年程度の勉強は必要です。

      行政書士

      行政書士は、一般的に「許認可のスペシャリスト」と言われています。少し分かりづらいのですが、司法書士、社労士、税理士、海事代理士等が独占業務としている分野以外の代理作成・申請手続ができるので、結果的に「警察署」や「役所」に提出する書類についての専門家、と認知されています。

      また、権利義務・事実証明に関する書類の作成代理も仕事として行えるので、遺言書や遺産分割協議書、定款の作成等も受任できます。

      合格率は10%前後で推移していますが、受験者がここ最近増加傾向にあります。他の国家資格試験との違いは、受験科目に「一般知識」や「憲法」といった、社会常識的な側面を求められることの多い試験であり、単純な暗記に加えて総合的な知識力が求められる試験である点です。

      もちろん中小企業診断士ほどではありませんが、単純な暗記では乗り越えることが難しく、社会人に若干有利です。合格には1~2年の勉強時間が必要です。

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