NPO定款 – 「拠出金品の不返還」は入れていいの?

こんにちは。街づくり行政書士の遠藤です。

NPO法人(特定非営利活動法人)設立中のお客様からお問い合わせがあったので、今日は皆様にも役に立つ内容をご紹介できればと思います。

NPO法人の収入としては、事業収入の他に、正会員・賛助会員からの入会金および会費、補助金や助成金、寄付など、様々な資金源が考えられますが、「NPOが一度預かったお金については返せませんよ」という条文を定款に設けることは可能か、というお話です。

現在存続しているNPO法人の定款をいくつか見てみると、【拠出金品の不返還】という条文を設けている例が見受けられます。

(拠出金品の不返還)
第◯条 既に納入した入会金、会費その他の拠出金品は、返還しない。

こんな感じの条文です。一度戴いたお金を「返して!」と言われても返せませんよ、という、そのままの条文ですね。

法人運営側としては、是非とも入れておきたい一言かもしれませんが、この条文を定款に加えて東京都に設立申請をすると、おそらく修正を求められることになるはず、です。

実は、【拠出金品の不返還】については、平成24年度のNPO法改正に伴い、多くの自治体でその条文そのものがモデル定款から削除されているのです。東京都でも令和2年度版「特定非営利活動法人ガイドブック」記載のモデル定款には、条文の記載は見当たりませんでした。

ただし、東京都生活文化局のHPには、平成24年のNPO法改正に伴う定款変更例の記載があり、そちらには【入会金及び会費の不返還】という形で、修正条文の記載がありました。

(入会金及び会費の不返還)
第◯条 既に納入した入会金、会費は、返還しない。

NPO法の改正等に伴う定款変更について

上記の条文では、「その他の拠出金品」という文言が削除されているのがお分かりかと思います。逆に言えば「入会金、会費」の不返還については条文として残してもよい、とも受け止められます。

あくまで私の個人的見解ですが、「その他の拠出金品」には、収入源における補助金・助成金、寄付金ならびに事業収入としての売上、までもが含まれてしまい、これらを「返還しない」と条文に定めることに、何らかの問題が生じると判断されたのではないでしょうか。

東京都では、「入会金、会費」については返還しない旨を定款で定めても問題なさそうですが、もしこの条文を設ける場合は、現行のガイドブックに記載が無い以上、念の為、都の担当職員さんに確認をしたほうが良いかと思います。

目次

不明点は担当部局に問い合わせるのが確実です

特定非営利活動促進法(NPO法)は国が作った法律ですが、所轄庁(管轄している官庁)は各都道府県となります。それぞれの自治体毎にモデル定款があり、各自治体がNPOの認証を行っています。

定款を作る際は、既存のNPO法人の定款を参照する前に、該当する自治体のモデル定款を基準とし、その上で、他自治体や既存NPOの定款を参考にされるのが良いのかもしれませんね。

もし、モデル定款に加筆したい事項や、削りたい事項がある場合は、自身のNPOが認証を受ける自治体の担当部局に問い合わせたり、個別相談会で確認をとるなど、こまめなコミュニケーションを心がけましょう。結果的に、スムーズな設立認証に繋がるはずです。

もしNPO法人設立でお困りのことがありましたら、お気軽にご相談くださいね。

街づくり行政書士の遠藤 諒でした。

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この記事を書いた人

遠藤 諒のアバター 遠藤 諒 行政書士

海城高校、同志社大学経済学部卒。システムエンジニア、コワーキングスペース店長、地域おこし協力隊、議員秘書を経て、行政書士に。

仕事を通じて「地域を誇りに思える街づくり」に携わっていきます。

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