いつものように手抜きクラムチャウダーを作っていたら、牛乳を凝固させて台無しにしまった悲しい話をしようと思います。
料理に失敗はつきものですよね。同じ経験をしているであろう皆さんも、もしよかったら、ご一読して笑ってあげてください。
貝の下茹でに◯◯◯◯を使ったところが運の尽き。
大きなホンビノス貝を買ってきたし、クラムチャウダーでも作るかな〜♪
スーパーに特大のホンビノス貝が売っていたので、今晩はクラムチャウダーでも作ろうか、とウキウキしていた遠藤。いつものように、鍋に火をかけ、貝の下茹でからスタートしたのですが。。。
そうだ、白ワインで下茹でしたら、もっと美味しくなるはず!
そう思い立った遠藤は、酒蒸しの要領でホンビノス貝を加熱しました。
パカッ! アサリに比べて大きいぶん、開くのが遅いホンビノス貝。弱火で10分くらい火にかけてようやく開花。あとは牛乳を加え、別に炒めたじゃがいも、玉ねぎを入れるだけ、のはずでした。
牛乳入れて、、、っと。美味しそうだな〜♪
加熱時間が長かったから、なのか、牛乳を入れたあとに白ワインの香りが全然しないことに気が付きました。750mlで¥300くらいの格安ワインですから、もともと香りが弱かったのかもしれませんが…。
せっかくワインを使って下茹でしたのだから、ワインの風味を感じられるクラムチャウダーを食べたい。そう思った遠藤は、牛乳を加えた後に、更に追加で白ワインを加えたのでした。
これでよし、と。後は野菜をいれてーっと、、、
大惨事、発生。
ええええーーー!!固まってるーーーっつ!!
数分後に鍋を覗くと、白いものが大量に浮遊しているではありませんか! 牛乳が見事に固まって、ホンビノス貝がカッテージチーズのようなものに覆われていたのでした。
牛乳に「酸」を加えると、凝固する。
牛乳はレモン汁を入れると固まる、って習ったじゃろ?
なんか聞いたような聞いてないような…。こんなにしっかり固まるなんて…
忘れているのじゃろうが、ワインもレモンと同様、強い酸性の液体なんじゃよ
ワインのPHは、3〜4と、食べ物としては強い酸性の液体。牛乳が凝固するのは当たり前だったのですね。
豆知識その1:牛乳は、温かい状態で凝固する!
電子レンジでホットミルクを作ると、ミルクの上に薄い膜ができることがありますよね?牛乳は高温で長時間加熱すると、ガゼイン等のタンパク質が変性し、凝固しやすくなる性質をもっています。 80度以上に牛乳を熱した上で、酸を加える。牛乳が凝固しやすくなる条件が揃い、今回の大惨事が発生した、というわけです。
豆知識その2:ワインの酸は、加熱しても無くならない。
ワイン用のブドウに含まれる主要な酸は、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸の3つ。そしてどの酸も不揮発性なので、グツグツ似たところで飛んでいかないのです。
白ワインで下茹でしてはいけなかった、ということか。。
いや、下茹でに使ってるレシピもあるじゃろ。牛乳の後に白ワイン入れたのが問題じゃと思うぞ
ネットで調べると、下茹でに白ワインを使っているレシピを多数お見かけします。 今回の「凝固」は、白ワインを使っていること自体が原因ではなく、牛乳を加熱しているところに、白ワインを追加で投入したことに原因がありそうです。
牛乳の使用は、慎重にね。
今回の料理で遠藤が学んだこと。それは…
牛乳を使うときは、「加熱」と「酸」に要注意しよう!
牛乳無しでは成立しない、「クラムチャウダー」という食べ物。いま一度、牛乳の持つ食品としての性質を理解して、美味しいものを作っていきたいと思います。
後記:分離した液体は、濾過して夕飯の食材として使いました。
「凝固物」は固めてチーズケーキみたいにして食べると美味しいとのこと。今回は使いませんでしたが、もし同じ失敗をしたときは作ってみたいと思います。 そして「残りの液体」には、牛乳のホエイタンパク質やカルシウムがふんだんに入っているそう。捨てるのはもったいないので、夜ご飯のパスタソースの原材料として、美味しく調理しました!(冷製パスタを作りました。)
鶏肉にも、味を染み込ませてみました。ちょっと薄味でしたが、普通に美味しかったです!
今日はこんなところで。ではまたー!