直前期はテレワークor会社を休むのが吉。 試験日の直前については、なるべく外出を避けましょう。 新型コロナウイルス感染症だけではなく、インフルエンザや通常の風邪に罹患すると、著しく思考力が低下しますし、試験日当日に発熱すると、最悪、受験ができなくなる可能性があります。 可能であれば、試験日から2週間前、少なくとも3日前は、極力外出をしなくてもよい方法を考えておきましょう。
試験日1週間前からは、今までの確認と、記述対策。
試験日7日前〜当日は、試験への費用対効果を考えると最も価値のあるプライムタイムです。 この時期にやるべきことは、新しい「知識の獲得」ではなく、復習による「知識の定着」です。 行政書士試験の配点300点のうち、肢別は240点分あります。つまり、消去法で解答を導き出せる問題の配点が8割もあるのです。
選択式の正答精度を上げるためには、行政書士試験に対する「フェルミ推定」の能力をUPすることが大切です。自分の保有する知識から推測して、不要な選択肢を削除していく作業が試験に必要だからです。 知識にあやふやな部分があると、フェルミ推定の精度が一気に低下します。10個のあやふやな知識より、7個の確固たる知識が必要なのです。つまり、直前期に新しい知識を身につけるよりも、今まで手をつけた分野の横断的復習こそ、直前期にやるべきことになります。
記述をこの時期にやるのも、記述対策こそ「横断的復習」になるからです。 記述は、選択式と比べて、浅い、基本的な知識を問われがちです。つまり、記述式問題集を解くことは、民法と行政法の基本知識の総復習になる、ということです。1問1問時間をかけずに、 問題を読む→ちょっと考える→答えを見る→書きなぐる のサイクルをひたすら繰り返しましょう。時間をかけて少数解くのではなく、なるべく広い範囲の基礎的な問題を解きましょう。
試験日3日前と、2日前で、苦手意識をすべて消す。
試験日3日前、2日前にやることは、今まで何度も間違ってきた論点を、すべて潰す気持ちで頭に叩き込む作業です。 試験直前になっても間違える問題は、いくつかあると思います。(無いのであればサイコーの状態です)何度も間違える問題は、間違った論理思考が頭にインストールされてしまっている状態です。思考過程を修正しようと思っても難しい場合は、論理ではなく暗記で対応してみましょう。直前期だからこそやるべき力技です。
試験前日は、当日のイメージトレーニングを。
試験前日は、当日のイメージトレーニングをしましょう。12時過ぎには試験会場に到着し、午後1時から試験を始められるように、必要なものをしっかり準備しておきます。朝何時頃に起きると一番体調良く試験に臨めるのか、睡眠は何時間必要か、眠くならない食べ物はなにか、など、検討すべきことはたくさんあります。
また、受験生のなかには、受験会場の近くのホテルを予約される方もいらっしゃるようです。私はやりませんでしたが、できれば2日前からホテルに宿泊するのも、心を整えるためには良いのかもしれません。
前日の夜は、微熱&寝られなくて当たり前。
私の場合、前日の夜に体温が37度まで上昇。睡眠も、午前3時くらいまで心臓がドキドキして眠れなかった記憶があります。特に風邪をひいていたわけでもなく、単に過度な緊張状態となっていたようです。 試験に受かりたい!という思いが強い方ほど、数日前から緊張状態が続き、当日に向けて緊張感がMAXとなるはずです。熱が出る、うまく眠れないのは当たり前に起こることです。また、私の場合は歯が痛みました。毎晩、緊張で歯を強く噛み締めていたようです。(試験終了後、マウスピースを作りました)
とりあえず、過度の心配は不要です。交感神経がフルに活性化している状況下ですから、当日の試験もなんなく乗り越えられるはず。試験が終わったら、十分に休養して体をメンテナンスしてください。
当日は、高性能マシンになりきったつもりで。
例えばSSD&Core i7のCPUを搭載した最新PCと、HDDとCPUがCore2Duoで構成された15年前のPCがあったとします。
どちらも同じデータ(知識)が搭載されていたとして、同じスピードで問題を処理できるでしょうか? 当日、あなたが試験会場でするべきことは、高性能PCになりきることです。試験会場には参考書もインターネットもなく、会場に持っていった知識は不変です。戦う材料は既に蓄積された知識に加えて、自分の体だけ、なのです。
ここで大切なのは、頭脳だけでなく体の細胞一つ一つを、試験合格のために使ってほしい、ということです。視覚、嗅覚、味覚、触覚、聴覚、そのすべてを試験のために使ってください。部屋が寒ければ、思考を研ぎ澄ませられると前向きに。交感神経をフル活用して、体を発熱させてください。(あくまでイメージです) そして言葉通り、全身全霊を、試験のペーパーにぶつけてください。1秒の無駄もなく、1秒のスキも作らず、気持ち・思考のすべてを試験のために使ってください。
合格率8〜10%のボーダーライン上にいる方は、特にこの「感覚」が大切です。ちょっとした気の迷いが、誤った選択肢を選ぶ原因にもなります。試験合格以外のことに意識を向けず、なにがなんでも合格を勝ち取るんだ、という意識を持ち続けて戦いましょう。
教室で、合格者は2人だけ。
私は20人教室で受験しましたが、試験開始前にトイレから戻ってくると、当然ですが受験生が座っていますよね。皆さん、よく勉強している方だとお見受けしました。「記念受験ですワタシ!」みたいな方は見当たらず、落ち着いた、真面目そうな方々しか座っていないんですよね。 それなのに蓋を開けてみたら、受かっていたのはその教室で、私ともうひとりだけ。私の机の列に座っている受験生は残念ながら全員不合格でした。
つまり、試験中、周囲は全く気にする必要がないということです。試験開始2時間でエンピツを机に置いている奴や、リラックスしながら受験に臨んでいる人がいても、その人達は試験に落ちた、と考えてください。合格率10%以下の試験とは、そういうものだということです。 私が試験を解ききったのは、2時間48分が経過した終了12分前。すぐさま見直しを開始。残り3分の時点で1問、回答を訂正しています。訂正した問題は正答しました。見直すべき問題は、悩んだ問題ではなく、自信をもって回答した問題です。「しっかり読んでいれば」防げる、ケアレスミスを確認しましょう。
試験結果は192点。3問択一を落としていたらボーダー。4問間違っていたら不合格だった、ということです。 合格を勝ち取るのは自分なんだ、という強い意志を最後の1秒まで、持ち続けてください。自分を信じて戦い抜きましょう。
試験が終わった後、中央大学多摩キャンパスの夕陽は、生涯忘れることはないかもしれませんね。ヘトヘトの状態で写真をとりました。笑 今年、美しい夕陽を目撃するのは、受験者であり未来の合格者である、あなた自身です。 それでは行政書士試験、頑張って、楽しんで、もがき苦しんで下さい。 街づくり行政書士の遠藤でした。
ではまたー!