ガス缶だけで、50種類以上もあるって知ってました? ホームセンターやスーパー、Amazonや楽天で買うことのできるガス缶って、実は優に50種類以上。中身が同じでもデザインが異なるものも含めると、100種類以上のガス缶が世の中にはあります。 値段、デザイン、性能。いろいろあり過ぎて、何を選んだらいいか分かりにくいのが実情。今回は、ガス缶の選び方の基本から、おさらいしていこうと思います。
前提:アウトドアには、アウトドア缶がベストだけど…。
よくスーパーやコンビニでも見かける、カセットガス缶(=CB缶)。それともうひとつ、山登りの方々に愛され続けている、「アウトドア缶」、通称OD缶があります。CB缶と、OD缶、見た目は全然違いますが、使い方はどちらも一緒。料理をしたり、飲み物を温めるために使います。
ハードな使い方をするなら、OD缶。家で使うなら、CB缶で十分。
OD缶は、名前の通り、「アウトドア用」のガス缶です。どこらへんがアウトドア用かというと、 ・寒冷地でも火がつくガスが使用されている ・簡単に潰れない(壊れにくい) ・火力が比較的強い といった特徴がOD缶にはあります。CB缶は、その筒のような構造上、ガスの圧力にそこまで耐えられないので、圧力の高い種類のガスをほとんど入れることができません。
CB缶、OD缶は、接続部分の形状が違うよ。
CB缶、OD缶の間には、互換性がありません。接続部分の形状が違うので、間違って買わないように注意しましょう。 バーナーやコンロを買うとしても、CB缶用、OD缶用がそれぞれ販売されています。ちなみに、CB缶同士、OD缶同士には互換性のあるものが多いですが、万が一事故が起こった時、賠償責任の所在がわかりにくくなる等、問題があるとのこと。 万が一、を防ぐためにも、道具はできるだけ同一メーカーのものを使ったほうが良さそうですね。
家で使うなら、カセットガス缶でもOK!(冬以外は)
もし、ベランダやお庭でちょっとコーヒーを作ったり、スープを温めるくらいの使い方であれば、カセットガス缶でも全然問題ありません。ただし、カセットガスの種類によっては、冬場に付きにくいものもあるので、冬にベランピングをする場合は、性能のよいCB缶、あるいはOD缶から選んだほうが良いかもしれませんね。
まず、ガスの中身だけはしっかり押さえておこう!
ガス缶に使われているガスの種類は、たったの3種類。ブタンガスと、イソブタンガス、そしておなじみのプロパンガスです。価格が安いのは、一番沸点が高い、ブタンガス。次にイソブタン、そして一番高コストなのがプロパンガスです。 プロパンガスのほうが知名度的にはメジャーなのですが、圧力が一番高いので、缶をより丈夫に作る必要があり、ガス缶として購入すると一番高価格になります。
夏なら、ブタンガスで全然OK!!
カセットガス缶を、価格の安い順に並べてみました。
気温が10度以上ある温暖な場所であれば、ブタンガス100%のガス缶でOKです。カセットガス缶を、価格の安い順に並べてガス1gあたりの価格で比べると、圧倒的に安いのが、東海から発売されているコン朗のガスボンベです。カセットガス1本120円と、あまりに安すぎて心配になりそうですが、ホームセンターでも売っているポピュラーな商品です。Amazonだとまとめ買いだとやすくなりますが、3缶売りだとちょっと高めです。
秋冬は、イソブタンメインで安い、東邦ゴールドがベスト・バイ!
寒い季節、特に外気温が5度を下回るような寒い時期に使うのであれば、イソブタンがメインのカセットガスがオススメです。氷点下にならなければ、普通のカセットガスでも着火するとは思いますが、火力が低下しがち。東邦金属のイソブタンメインのガス缶はかなりお得な値段で購入することができます。
OD缶なら、PRIMUSノーマルがコスパ最強。
OD缶のなかで一番リーズナブルなのが、7割ブタン、3割がイソブタンで構成されたPRIMUSのノーマルガス(500g)です。プロパンこそ含んでいないものの、寒冷地で使わないのであれば十分な性能を誇ります。
冬場に使うなら、Colemanがコスパを考えて一択か。
「Super」の印字されたコールマンの純正イソブタンガス燃料Tタイプは、なんとイソブタン90%、プロパン10%という優れモノ。標高2000mや北海道の最北端みたいな場所で使うわけでなければ、こちらのガス缶で十分かもしれません。
冬山で使うならEPIgasのエクスペディション
推奨使用時期:冬・極寒冷地、使用最低気温:−20℃前後(迄)という、厳冬期の冬山で使えるレベルのOD缶。防災備蓄としては北海道と山小屋以外は役に立たないかもしれませんが、心強さならピカイチです。
極寒で俺はコーヒーを作りたいんだ…という方には。
できるだけプロパンの配合比率が高く、そしてイソブタンが充填されている缶を選ぶと吉。プロパンならマイナス30度でも着火しますからね!EPIgasから発売されているエクスペディションは、プロパン40%、イソブタン60%の、弱点なしのガス缶。価格だけがネックですが、冬にもし大地震で電気ガス水道が止まったら…なんて思うと、ひとつあるだけで安心♪
寒さ対策を第一に考えるのであれば、ムカストーブ等のガソリンバーナーを使う、という方法もあります。
カセットボンベ缶にオススメのバーナーは?
登山やキャンプには興味がないけど、ちょっとしたアウトドア気分を楽しみたい…。それであれば、OD缶ではなくCB缶で道具を用意するのもアリ、ですよね。
CB缶用のバーナーとして一番売れているのが、イワタニのジュニアコンパクトバーナーです(私も愛用しています)。とりあえずこれさえあれば、飲み物から料理まで一通り作れちゃう優れもの。
カセットコンロでも、カッコいいのが売っている。
最近めちゃくちゃ売れているのが、イワタニから発売されているカセットコンロ タフまるJr。重たいダッチオーブンも載せられるので、鍋パーティーを友だちや家族とやりたい!なんて方にオススメ♪
ちなみに、イワタニから発売されてるカセットガスだと、ノーマルのブタンがメインのカセットガス(よくコンビニで見かけるやつ)と、イソブタンが30%の配合の、寒冷用カセットガス(ゴールド)の2種類が販売されています。
アウトドア缶にオススメのバーナーは?
OD缶で道具を揃えれば、そのまま登山やキャンプ道具としても使えるのが利点。
OD缶向けの装備をとにかく安く揃えるなら、キャプテンスタッグシリーズがオススメです。カインズやジョイフル本田などのホームセンターでも取り扱っている、大手メーカーです。バーナーは4500円前後で手に入れることが可能。他メーカーより2〜5割ほど割安です。
キャプテンスタッグシリーズは、とにかく製品種類が豊富。BBQにピッタリのツーバーナーシリーズも手に入ります。
また、夜風にあたりながらベランダでランタンを楽しむのも乙なもの。ガス缶で使えるランプなんかも用意しておくと、雰囲気も一気に良くなるかもしれませんね。
また、ツーバーナーのストーブをはじめから用意しておくのもアリです。自宅のコンロと同じように扱え、調理するのに重宝します。
カップルや家族世帯であれば、ツーバーナーのほうが見栄えもして楽しいかもしれません。
ガソリンバーナーという方法も。
カセットガスではなく、あえてガソリンを使って調理をする、という方法もあります。ガソリンは揮発性が高く、引火点は-38℃。プロパン並に寒さに強く、もっぱら寒冷地で使うのであれば、いっそのことガソリンバーナーを使うのも選択肢としてアリです。
SOTOのムカストーブや、ストームブレーカーを使うと、自動車用のレギュラーガソリンや、ホワイトガソリンを燃料に調理をすることができます。ムカストーブはガソリンだけですが、ストームブレーカーは、OD缶とガソリンを併用できます。
ガソリンバーナーはカセットガスより扱いが面倒ですが、燃費(コスト面)では圧倒的に安く、とても経済的。防災面でも、バイクや自動車と同じレギュラーガソリンを燃料にできるので、いざという時に重宝しますよ!
庭でよく一人飯を楽しんでいる遠藤でしたー。
ではまたー!