行政書士として開業し、はや1ヶ月。ダブルライセンスとして相性のよい診断士をとりたいなーと思っていたのですが、なかなか勉強に身が入らず。先月からはとある会社の総務部アルバイトとしても働くなかで、労働・年金関係の勉強をしていきたいなーと思うようになりました。
悩んでいるうちは、勉強なんかできない。
社労士の勉強もしたい。診断士の勉強もしたい。 ここ最近は2つの資格のどちらの勉強をするかで悩む日々が続いていたのですが、「悩む」ってことは、あまり本気ではなかったんだと思います。自分の資格取得歴を振り返ってみたのですが、合格までたどり着く時って、悩んでない時、なんですよね。迷わず狙ったのに不合格だった試験は、ほとんどありません。
ITパスポート試験・基本情報技術者試験(100時間くらい)
大卒後、IT企業への就職が決まり、人事部社員から「なんにも資格ないのもアレだから、勉強しときなさい」と言われたことがきっかけで取得しました。
応用情報技術者試験(200時間くらい)
IT企業での仕事があまりにも激務だったのと、私自身、あまりプログラミングに対して適正がなかったので、転職を考えていました。就職して2年目に入り、要件定義や設計書の記述もやっていたので、コンサルティングに近い資格をとりたいと思うように。そんななかで、「中小企業診断士」という資格を知り、そのなかに「経営情報システム」という科目があることが分かりました。 その経営情報システムの勉強をすすめていくうちに、応用情報技術者試験の午前試験と内容がかなり被っていることが判明。まずは取りやすいところから押さえようと、応用情報技術者資格を取得しました。
ようこそ!かわさき検定(新・川崎産業観光検定試験)(10時間くらい)
中小企業診断士試験のために契約していたコワーキングスペースに、店長として転職しました。コワーキングスペースは川崎市内にあったため、お客さん(会員さん)はほとんど川崎市民です。会員さんと蜜にコミュニケーションをとるためにも地域のことを深く知りたいと思い、手っ取り早く知識を習得する方法として、川崎検定を取得しました。
猟銃・わな猟 狩猟免許試験(10時間くらい)
コワーキングスペースの店長から、特別職公務員(地域おこし協力隊)に転職。赴任先の山間地域では狩猟が盛んでした。毎週、猟友会のお手伝いをすることも業務の一部になっていたので、狩猟・わな猟の免許を取得しました。(その後本格的に始めることにはならず、猟銃の所持経験は未だに有りません)
行政書士試験(900時間くらい)
地域おこし協力隊も3年目になった2020年。新型コロナウィルス感染症の蔓延により、地域活性化に関わる活動が難しくなりました。と同時に、「3年間」という有期雇用契約だった私は、来年の仕事も考え始める必要もありました。 その時の私は、いち公務員として、行政法・地方自治法のルールのもとで活動しているのに、その法律のことを何も分かっていませんでした。もっと法律の勉強をしたい。そして、その勉強を将来も役立てていきたい。そう思った私は、独立開業も可能な資格である、行政書士試験を受けることを決意。無事、取得しました。
不必要だ、と思わずに続けられることが、合格への道。
他にも簿記2級、販売士2級を取得していますが、いずれの資格も、「私にとって必要な資格だ」という強い自己認識の上で取得した資格です。
確かに中小企業診断士は「補助金業務をやる上で絶対に役に立つ」と思い勉強をしていたのですが、「診断士資格を持っていなくとも補助金業務はできるよな…」「独占業務も特にないしな…」なんてネガティブな思いも同時に抱えており、集中して勉強を進められていたわけではありませんでした。 必要だと思いながらも、不必要かもしれない、という心の迷いは、勉強の継続にとっては大きな障害でもありました。
先輩行政書士さんに、挨拶に行った。
そんななか、自分の目指すべき方向性が大きく変わる出来事がありました。 先週のことですが、地域の先輩行政書士さんの事務所に、ご挨拶に行きました。そこでざっくばらんに話をしたのですが、最後にこんな「ひとこと」を言われたのです。
「君が僕と同じくらいの年齢だったら…◯◯か△△を取るなぁ」
来週、診断士試験なんですけど、あまり勉強する気にならなくて。行政書士の実務の勉強も大切だと思うのですが、診断士の勉強を続けたほうがよさそうですかね?
なるほどねぇ。行政書士の実務の勉強はもちろん大切だけど… もし僕が君のように30代だったら、司法書士か社労士の勉強をしているね。
司法書士か、社労士…?
行政書士の仕事を進めていくと、必ず、他の士業の先生に依頼しなければならないことが発生してね。司法書士、社労士さんに引き継ぐ仕事が多いんだよね。
例えば会社設立時の登記、そして設立した後は雇用関係とか。行政書士がやれないこともたくさんあるからねー
たしかに社労士さんや司法書士さん(もちろん、税理士さんや弁護士さんも)の行う業務は、行政書士の業務と隣接しています。スポット業務が多いとされる行政書士としては、継続的なお仕事に繋げたり、1件の事件あたりの単価を上げる意味で、ダブルライセンスは魅力的なのかもしれません。
仮説:資格保有と、業務遂行能力はイコールではない。
例えば、私の持っている「簿記2級」という資格は、経理の担当者として、「一定の教養があるな」と周囲からの信用が上がる資格です。仕事の処理スピード、正確性、難易度、どれをとっても、資格を保有していることで、それなりのパフォーマンス能力を発揮できることを、期待されているからでしょう。
「行政書士」は、資格試験勉強と実務が直結していないので、職務遂行能力に個人差があるのは事実。試験に合格しただけでは、能力の保証にはなっていないのです。
それでは、「中小企業診断士」「社会保険労務士」はどうでしょうか。
試験制度と実務の直結度で考えれば、行政書士と同じく診断士の実務は定型業務の割合が少なく、先生によって進め方・取り組む分野はバラバラです。資格保有は信用に繋がりますが、資格を保有していること、イコール、仕事ができることではありません。
社会保険労務士は試験内容と実務が近似しているので業務遂行能力がある程度担保される資格、と言えそうです。
総務の仕事を確実にこなすためは社労士の勉強?
今月より、とある会社の総務部にアルバイト採用された私ですが、実は「総務」の仕事をするのは人生で初めて、です。もちろん、右も左も分からず、手取り足取り先輩社員にお聞きしながら作業を進める日々を送っています。
そんな私でも採用していただいたのは、経営者と個人的なつながりがあったから、でもあるのですが、「行政書士資格を持っているから」というのも大きな理由のひとつだそうです。行政書士の持つ、「書類作成の専門家」というイメージが大きく影響しているのでしょう。とりあえず、信用だけはあるようです。
保険や税務関係の書類など、ほとんどの書類を理解できないなかで、四苦八苦しながら取り組んでいる今の仕事。これはもっと理解しなきゃ駄目だと思っていた最中、先輩行政書士に言われた「もし僕が君のように30代だったら、司法書士か社労士の勉強をしているね」という言葉。
診断士の勉強をすればいいのか、社労士の勉強をすればいいのか、かなり悩む日々が続いています。
今日はこんなところで。街づくり行政書士の遠藤でした!