中学生(13歳) 突如、宅建士の勉強を始める。
5月初旬のとある日。中学生(中学1年生)の子供から、少し前に「法律に興味があるんだけど、将来法学部に行ったらいいのかなぁ?」と聞かれたので、
まだ何年も先の話だし、とりあえず法律の勉強をしてみたら?例えば宅建とか…
まだ、10月の宅建試験までは5ヶ月間あります。なんとか3~400時間は確保できるかも、という期待もあり、「例えば宅建」と提案してみたのですが、まさか本気で勉強を始めることになるとはその時は考えていませんでした。
わかった!宅建やってみるわ!
マジか…!
ということで、数日後に子供と一緒に宅建の教材を買いに行くことに。私は基本的に独学派なので、子供にもスクールではなく独学で勉強しようぜーと話しました。
宅建最年少合格者は男女ともに12歳!?
宅建士試験の最年少合格者は、男女ともに12歳だと思われます。令和2年、令和3年度の試験でそれぞれ12歳の合格者が出ていますが、大変な努力をされたんでしょう。尊敬しかありません。
13歳の我が子にとっては自信にもなる情報です。
わかりやすそうなテキストを買うべし。
どんなテキストを買ったらいいの?
とりあえず読みやすいモノを選ぶといいよ
とりあえず文字が大きく、文章量が少なめで、図柄や表の多いテキストを勧めました。
インターネットのなかった時代であれば、「より詳しく、分厚い参考書」を選ぶべきなのでしょうが、今の時代、テキストはあくまで「勉強の方向性」を教えてくれる読み物として用いればよいというのが私の考えです。書いていないことでもインターネット調べることができるので、まずは1冊読み通しやすいテキストが初学者には適していると思います。
ということで、子供が選んだのは「宅建士 合格のトリセツ基本テキスト」です。
ペンギンさんのイラスト入りの、子供でも読みやすい(もちろん大人も読みやすい)テキストです。宅建で50点満点を目指している人には絶対オススメできませんが、初学者からはじめて合格点付近の点数を狙いたい人であれば、これで十分だと思います。
問題集は肢別(一問一答)の、過去問を選ぶべし。
どんな問題集を買ったらいいの?
択一ではなく、肢別を選んだほうがいいねー
宅建士試験であれば4肢択一、行政書士試験であれば5肢択一の問題が多いですよね。
普通の問題集は、1問につき回答を4つの選択肢から選ぶ形式になっています。それに対して、肢別問題集は○✕形式の問題が並んでいて、「△△は、□□□である」という一文に、○か✕で回答していく問題集です。
択一ではなく肢別の問題集を選んだほうがいいのは、択一問題の場合、正解の選択肢と不正解の選択肢の差に注目してしまいがちになるので、一文一文の検討がおろそかになる恐れがあるからです。
肢別問題集では、他の選択肢と関係なく、1つの肢に対してそれぞれ○✕を検討するので、一文一文をじっくり味わうことができ、より深い理解につながっていくのです。
子供が選んだのはテキストと同じシリーズ「宅建士 合格のトリセツ頻出一問一答式過去問題集」です。
創作問題集ではなく、過去問をやろう
なんの国家試験をやるときでも言われることですが、勉強において一番大切なのは何と言っても「過去問を解くこと」です。
中学生にとって、いきなり過去問をやることは大きなハードルかもしれませんが、かといって、問題集から入るべきかというとそれも違います。
高校受験で「この直線の傾きを求めよ」という問題が出題されているのであれば、その問題を解けるようにするのが近道です。連立方程式の計算問題集をやり込むことも大切ですが、それは時間に余裕のある人向けです。
時間が無い人は「入門問題集」ではなく、過去問に挑戦したほうが合格可能性が高まります。
1日勉強時間は2~3時間が現実的。
大人から見れば無限に時間を確保できそうな中学生ですが、一般的な中学生が勉強に「集中」できる時間はせいぜい2~3時間が限度です。学校の勉強がある平日も、やることが特に無い夏休みも、勉強時間に大差はありません。いろんなことに興味を持つ年頃ですからね。
それでも5ヶ月(≒150日)あれば、1日2時間でも300時間の確保が可能なので、あながち無謀な挑戦ではありません。もちろん集中力に自信のある方は、5時間でも10時間でも勉強するようにしましょう!
以下、子供の成績(途中結果)です。
7月初旬 令和3年10月の本試験 14点
勉強をはじめて2ヶ月弱。近所のカフェにて昨年の本試験を受けさせてみたところ、
なんと14点/50点
四択なので、ランダムに回答をチョイスするのと変わらない結果になりました。
えー、結構勉強したんだけどな…
肢別問題集は2周終わらせた状態で受けた試験でしたが、結果は大敗北。本人はかなりショックを受けていましたが、本試験の問題をこのタイミングで目にすることで、自分の実力としっかり向き合えたのではないでしょうか。
このタイミングでは、10月の試験はマルバツをつけただけで、復習や解説は読みませんでした。
7月下旬 LEC 0円模試 22点
本当は7月上旬に受ける必要のあるLECの0円模試ですが、期限オーバーの下旬に受験。その結果がこちらです。
22点/50点と、合格点の36点を大幅に下回る結果に。
サボってたつけかなー。
受かるギリギリの努力を目指して、コスパを考えて勉強してると、たぶん落ちるよ
よく見ると、権利関係(民法)と宅建業法は、平均点に肉薄しています。間違いなく肢別過去問題集を回している成果が出はじめていました。
ただ、中だるみ期と言いますか、前回のボロボロの結果を受けて、自信を失いかけていたようで、それは本人の勉強時間にも如実にあらわれていました。(勉強しない日もあったようです)
8月中旬 令和3年10月再チャレンジ 32点
あれ、以外と点数とれてる…!
ここからが本番だぜー
7月上旬でボロボロだった令和3年10月の本試験に再度挑戦することに。
一度見たことのある問題だとはいえ、結果は32点/50点。合格点は34点ですから、合格にかなり肉薄した結果となりました。子供からしても、合格のゴールテープがどれくらい先にあるのかを、はじめて意識することができた瞬間だったと思います。
問題集1冊を徹底してやることの大切さ、やっと分かったわ
肢別問題集をメインに、ときたまインターネットの過去問サイトで問題を解いているだけでも点数がそれなりに伸びることを実感した子供は、ここにきてようやく腰を据えて勉強に励むようになりました。
9月第一週 みんなが欲しかった! 宅建士の直前予想問題集 2022年度 第1回 36点
合格点、超えてる!?嬉しい!
35点で合格点だから、クリアだね
本試験ではないものの、ここにきてようやく合格基準点(35点)超え。試験本番まで残り約40日で、そこそこの仕上がり具合です。
みんなが欲しかった!の直前予想問題集は模試形式で4回分が付属していました。
1回500円以下で本番同様の問題を解ける&標準〜易しめの難易度なので、初学者にはおすすめの一冊です。基準合格点も回数によって異なった数値が設定(第一回が標準的な難易度で35点)されていますので、自分の実力を測る参考として利用しましょう。
9月第二週 みんなが欲しかった! 宅建士の直前予想問題集 2022年度 第2回 20点
あかーん!震えるほど悪い点数や
34点が合格基準やで
本人曰く、難しすぎて曖昧な回答を続けてしまったようで、結果は惨敗。過去2番目に低い点数を叩き出しました。
最後の2択までは絞れたけど、誤肢を選んでしまった、「まんまと罠に引っかかった」パターンが多かったみたいです。試験本番前に罠の研究をすることができて、良かったのかもしれません。
この後も10月16日の試験本番まで子供は勉強を続け、問題集は10周程度回すことが出来たようです。
いざ本番試験!
29点しかとれんかったわ…
民法 5/14
法令 5/8
税その他5/8
業法 14/20
宅建業法で点取れなかった
うーん。34~37点ぐらいが合格点かな
ちょっと厳しかったね。でもよく頑張った!
sadです…また来年うけたいです
がんばれー。
民法でもっと点数伸ばしたいね!
宅建試験の民法対策に最もおすすめなのは、公務員試験対策用のテキスト&問題集である「新スーパー過去問」シリーズです。レベル感としては
宅建試験 > スーパー過去問 > 行政書士試験
となり、スー過去のレベルは宅建の難易度を上回りますが、民法を得意科目化するところまで点数を伸ばすことができるはずです。
とりあえず今年の残りは学校の勉強!
わかった!
冬休みくらいからまた勉強再開するわ!
まとめ 基本テキストと問題集だけでは厳しかった。
法律知識もなにもない状態から、基本テキストと問題集、予想問題集だけで乗り切るのは難しかったというのが今回の結論です。
ある程度暗記で乗り越えられる科目は点数を確保できたものの、理解が必要な科目については、基本テキストだけで理解を深めるに至らなかったようです。もしくは、理解することの大切さについて、本人の認識が甘かったのかもしれません。
来年も挑戦したいとのことだったので、スー過去のように「読み進めながら理解を深める」問題集を活用できれば良いのかなと思います。