こんにちは。Avanti行政書士事務所の遠藤です。
今日は、iPadとメモアプリ「Notion (ノーション)」を使った資格試験学習法について、簡単に解説していきたいと思います。
今回は、簿記試験の会計版である「ビジネス会計検定3級」の勉強にNotionを利用しました。過去問を解いてみたところ8割以上の正答率(7割以上で合格)だったため、その方法について解説していきます。
Notionの前に、なぜiPadなのか?

まず、この記事は、紙ではなく「iPad」を使って勉強する方向けの記事です。
勉強をするのであれば「紙媒体」を使うことがまだ一般的です。簿記3級やTOEICなど、アプリやWEBサービスを使った学習教材も増えてきましたが、難関資格では、テキストや参考書、問題集を紙ベースで勉強することが多いのではないでしょうか。
紙だと問題集を解きながら参考書を参照する、という動作をするときも、机の上にある参考書を手に取れば簡単に行なえますが、デジタルで行うと、参考書PDFをフォルダから探して開く、という一手間がかかるので、複数の書籍を行ったり来たりする場合には、まだ紙の方に優位性があるといえます。
ただし、紙にはデメリットもあります。一番大きなデメリットは、持ち運びが大変、勉強する場所が限られる、という点です。私は電車移動が多いのですが、自分の膝の上でテキストを2冊開くことは物理的に難しいですし、簿記や会計等、電卓も加わったらお手上げ状態になります。
iPad学習法は、紙には効率性の点で負けますが、どこでも勉強をやりやすい、という点では優位にありますので、「移動が多い」「自宅以外の場所でも勉強がしたい」という方にはオススメの勉強法です。
PCではなくiPadをメインに使う理由
ビジネス会計検定の勉強をしていて思いましたが、実際に手を使って書いたり、大事な箇所にアンダーラインを引いたりすることは、「思考過程」を体に刷り込ませることに大きく役立ちます。
私も単語帳作成をアプリ上で行うときは、キーボードでひたすら打ち込む作業を行いますが、単純な「単語の記憶」、単体な意味の把握であればパソコンを使った学習でも問題ないと思います。ですが、「思考過程」の学習は繰り返し「見る」だけでは定着が難しく、書いたり、音読したほうが記憶に定着しやすい、というのが私の実感です。
Apple Pencilを使えば、ペンで書くのと同じ感覚で手を動かしながら学習ができますし、PDFをコピーすれば印刷することなく、何度でも書き込むことができるので手間もあまりかかりません。
以下のソフト・ガジェットを用います
・iPad(できればPro 12.9インチ。画面が大きいと見開き表示も可)
・Apple Pencil(純正でなくても可。使いやすいものを)
・GoodNote5(iPadのノートアプリケーション)
・ScanSnap等の自炊/電子化システム
・裁断機(DURODEX 200DX等の高性能のものが良い)
・Notion(アプリケーション)
すべて新品で揃えると30万円近くするのがネックですが、これだけあると外出先でも勉強しやすくなります。
Notionをどう使うのか?

Notionをどう使うか、ですが、ズバリ、中小企業診断士試験一発合格道場でヨシヒコさんが解説されているとおり、リレーショナル・データベースをNotion上で作成して、自分の理解度を把握しながら勉強を進めるために用います。ヨシヒコさんの記事を読んで、目からウロコ。私もすぐにNotionを使い始めました。
リレーショナル・データベースについて…
例えば小説家のリレーショナル・データベースがあったとします。「村上春樹」という一意のIDが振られたレコード(行)があり、そのレコードをクリックすると、「ノルウェイの森」やら「ダンス・ダンス・ダンス」やらが出てくる、というのがリレーショナル・データベースのイメージです。
とはいえリレーショナル・データベースはちょっと複雑なので、ここでは単なるデータベースをNotion上に作る形で説明してみたいと思います。
例えばビジネス会計検定の勉強で「販売費および一般管理費」(販管費) の計算が苦手だったとします。これまで解いた販管費の問題で、自分がどの問題を解いてきたのか、正答率はどれほどだったのか、等をまとめて確認するためには、リレーショナル・データベースが欠かせません。中小企業診断士試験のように範囲が膨大な試験であればリレーショナル・データベースは必須です。
ですが、とりあえず解いた問題を一覧にして確認するだけでOK!であれば、普通のデータベースを作るだけでも事足ります。ビジネス会計検定のように、時間の制約を考えずに問題集のやりこみで事足りる試験であれば、通常のデータベースだけで問題ないかと思います。
まず、問題の一覧表(データベース)を作る

Notionのテーブルビューで、問題集や過去問の問題一覧を作成します。
問題の内容(題名)、問題を解いたかのチェックボタン(1回目、2回目等)、理解度(◯、☓、△)があればOK。後は自分好みにカスタマイズ。
もうこれだけでも勉強に使えそうですが、これだとExcelと変わらないので、もう一工夫していきます。
GoodNote6で解いた問題をスクショで貼り付けていく

テキストを自炊でPDF化したものを、ノートアプリのGoodNote6で解きます。解き終わったら、そのスクショをNotionにペタペタ貼っていきます。
そうすることで、自分がどのように解いたのか、どこで間違えたのか、思考過程をデータベース上に逐一記録することができます。
問題を一通り時終わった後は、データベースを見れば得意分野・苦手分野が一目でわかるようになっているはずです。
間違った箇所を中心に、復習する
後は、間違った問題を中心に復習するだけです。
正解した問題を復習するのは時間がもったいないので行いませんが、模試や過去問で、同じ論点の問題で躓いたときは、一度正解した問題を含めて目を通すと良いかもしれませんね。
時間の制約条件が厳しい試験はRDBの導入を
中小企業診断士試験等、範囲が膨大な試験では、余計な部分に時間をかけないことが勝利への近道となります。そういった試験では、分野別の正答率、出題傾向等を把握した上で、戦略的に「やらない」という決断をくだすことが重要です。

リレーショナル・データベース(RDB)では、論点別に複数題を一覧で把握しやすくなります。例えば上記は、中小企業診断士試験の「財務・会計」に、ビジネス会計検定の問題DBをリレーションしたものです。右下に問題がそれぞれ表示されていますよね。
・理解度△の問題が多いということは、まだその論点について押さえきれていない
・問題数が多いということは、その論点は頻出論点
→しっかり復習しよう
となるわけです。ぼんやりと復習を重ねるより、視覚化したほうが学習効率はウンと上がりそうですよね!
以上、ザックリとしたNotion活用方法でした。ではまた〜!
後日談
この記事を書いたのが2023年7月末。中小企業診断士の勉強は9月ぐらいまでやって、その後中断していました。そこからほとんど勉強していなかったのですが、とりあえず2024年度の診断士一次試験を受けてみることに。

あろうことか、財務会計、企業経営理論、運営管理の3科目合格。合計点も399点で、420点まで残り21点まで迫る結果に。
これ、通年勉強してたら受かってたな…、と大反省ですよ。
2025年の一次試験、もちろん受験しますが、Notion使って攻めたいと思います。2次試験も同じやり方でいけそうな気もする。
ということで、ではまたー!