こんにちは。行政書士の遠藤です。
先日、福生市にて、4条届出手続を行いました。
4条届出とは、市街化区域内の農地を、その土地の所有者が自ら転用する場合に行う「農地転用の届出」のことです。 所有権移転及び権利設定を伴い転用する場合は、農地法第5条に基づく届出が必要となります。
もし、土地の地目が「田」や「畑」の場合は、農地法によって使用制限が定められているので、地目をそのままに住宅やビルを建築することができません。そのため、農地を管理している各市町村の農業委員会に【農地転用】という手続きを届出、または申請する必要があります。
市街化区域なら「届出」でOK!
多くの人が暮らしている「都市計画区域」は、市街化区域と、市街化調整区域に分かれています。それぞれの区域の役割については、都市計画法の第7条で定められています。
都市計画法第7条第2項
市街化区域は、すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とする。
都市計画法第7条第3項
市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域とする。
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つまり、市街化区域は、「もう市街地」か、「これから市街地にしていくぜ!」な地域であり、市街化区域に点在する農地(田や畑)であれば、「宅地にしてもいいよー」というわけです。市街化区域の農地転用については、あらかじめ農業委員会に届出をすることにより、農地法4条、5条許可は不要となります。
逆に、市街化調整区域は「市街化を抑制すべき区域」なので、開発行為は原則として禁止されています。
市街化調整区域の「転用許可」は難しい?
市街化調整区域の「農地」を「宅地」にする場合、農地法上の「農地転用の許可」と都市計画法上の「開発行為の許可」をセットで進めます。この2つは、同時申請・同時許可が原則ですので、どちらか片方だけ許可されることはありません。
市街化調整区域は、開発行為は原則禁止ですが、立地基準と一般基準を満たすことで、許可が下ります。例えば、市街地化の傾向が著しい区域内の農地である「第三種農地」は、「第三種農地」という立地の基準では原則許可が下りる対象ですが、加えて一般基準を満たすことで、許可が下りる仕組みです。
一般基準は、資金力がある、関係権利者の同意を得ている、都市計画法などの他法令の許認可が得られる等、複数項目があり、そのいずれかを満たさなければ、許可は下りません。
まず、農地区分により立地基準が定められていますので、転用したい農地がどの農地区分に該当するのかを確認しましょう。第3種農地であれば原則許可、第2種農地であれば、転用目的を代替できる土地で実現できる場合は、不許可になります。それより良好な営農条件を備えた第1種農地、甲種農地、農用地区域内農地は、原則として転用が認められることはありません。
農地区分の確認方法については各市町村によって異なりますが、農業委員会に問い合わせると教えてもらえることが多いです。