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      富士山噴火に備えて、都民がとるべき対策とBCP。

      富士山が噴火すると、ここ東京でも広範囲に降灰が予想されます。その際に起こり得ることから、自宅でとるべき対策について私(と家族用)にまとめています。

      この記事はあくまで、私個人の私的なメモです。私や、私の家族が噴火が起こっても動揺せずに行動できることを目的としています。実際に噴火が起こり、ここに記載された内容と、政府や自治体からのアナウンスに齟齬がある場合には、政府や自治体からの情報やアナウンスを優先して行動いただきますよう、お願いいたします。

      目次

      トンガで大規模な火山噴火が発生。日本も他人事ではない

      2022年1月、南太平洋のトンガ諸島で大規模な火山噴火が発生。日本にも津波が押し寄せるほどの規模で、火山灰による日照不足が引き起こす食料品の高騰が予測されるなど、火山噴火は地球規模で影響を与えることを改めて思い知らされることになりました。

      トンガの首都ヌクアロファでは、火山からわずか65キロの距離に位置しており、火山灰に覆われ、電力や電話回線、インターネットサービスがほぼ全面的に停止しました。そんななかでも、一部有志によるアマチュア無線の発信がアクティブ状態であることが確認されているようです。

      発生直後から飲料水等の不足が課題となっていますが、火山灰により航空機による支援が難しいとのこと。もし日本で同様の噴火が発生した場合も同様に、飲料水の確保・支援が難しい状況となるでしょう。

      まずは、火山灰が降ると、日本ではどんなことが起こるのか、確認していきましょう。

      火山灰が降るとどうなる?

      富士山噴火から1〜2時間で、東京都にも0.5ミリ以上の灰が降る可能性は十分ありえるとのこと。仮に1ミリ積もると、以下のような事態が発生します。

      火山灰が1ミリ積もると…

      道路

      火山灰が1ミリ以上積もると、自動車は30km/hしか出せなくなります。また、道路は視界不良となり、火山灰に慣れていない人が運転するため交通事故が多くの場所で発生します。この時点で、大幅な交通規制が実施されることになるでしょう。

      火山灰が空気中に浮遊している状態での走行は、車の故障の原因になります。エアフィルターは必ず装着、エンジンオイルやエアフィルターは頻繁に交換する必要があります。

      車の利用が生活上必須の地域では、エアフィルターやエンジンオイルについても予備を自宅に保管しておく必要があります。

      鉄道

      鉄道は、火山灰が0.5ミリ積もるだけで、運行停止となります。

      火山灰が2〜3ミリ積もると…

      道路

      火山灰が3ミリ以上積もると、雨が降った状態では自動車は走れなくなるそう。4WDの車であっても走行はかなり危険な状態となります。ちなみに、10ミリ以上の積灰の場合、どのような状態でも走行は不能とのこと。

      電気

      電気は、3ミリ以上の積灰で雨が降ると、碍子(がいし)がやられて、停電になるとのこと。

      上水道・下水道

      水道は、2ミリ以上の積灰で浄水場が止まる可能性が高いそう。下水も、2ミリ以上の積灰で雨が降ると、各所で下水が詰まるそうです。

      東京は、2〜10ミリの積灰が予想されている。

      東京は広範囲で火山灰が降り積もると予想されています。風向き等の気象条件にもよりますが、噴火発生から1時間以内には降り始める可能性が高いため、迅速な避難・対処が必要となります。

      多少の降灰で、命の危険が直ちに発生するわけではいが…。

      富士山のふもとのように、何十センチもの灰が降ってくる、あるいは土石流や溶岩が流れてくる地域は別ですが、仮に数センチの灰が堆積するような降り方をした場合であっても、健康状態の良い大人が、命を奪われるような大きな影響を受けるわけではないようです。パニックになることなく、出来る対策を粛々と進めましょう。

      危険度が高いのは、ぜんそくや気管支炎、肺気腫など肺に慢性的な疾患を抱えている場合や、深刻な心臓疾患のある人々とのこと。(http://vivaweb2.bosai.go.jp/ash/health.pdf 参照) 身の回りにそのような方や、子供・高齢者がいたら、フォローするように心がけましょう。

      また、全般的なこととして、灰を吸い込んだり、目に入ったり、皮膚に付着することはできるだけ避けたほうがよいそうです。下記対策を行うと良いようです。

      外出している場合:まずは身を守る行動が必要

      外出しているときに噴火が起きた場合は、火山灰から口、目、肌を守りつつ、安全な場所まで退避することが大切です。

      コンタクトを外し、メガネをかける。

      火山灰はガラスを多分に含んでいるため、コンタクトをしていると目がやられます。メガネを装着、できればゴーグル等で目を保護しましょう。度ありのメガネをふだんからカバンに仕舞っておきましょう。

      不織布のマスクを2重につける。

      肺や気管支がやられないよう、不織布のマスクを2重に装着しましょう。できれば、防塵マスクをあらかじめ用意しておきましょう。

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      雨具や、ナイロンの長袖シャツを着る。

      極力、肌に火山灰が付かないように、長袖のシャツを身に着けましょう。ナイロン製やビニール製のレインコートやジャケットがあると、部屋に入る前に、火山灰を簡単にはらい落とすことができます。

      噴火したら、真っ先にやるべきこと。

      テレビやラジオから常に情報取得を。

      大規模な噴火がおこると、送電が止まる可能性が高いため、インターネットや電話が使えなくなる可能性が高いです。多くのテレビは家庭用電源を利用するため映らず、情報源はラジオのみに。

      そのラジオですら、広域災害の場合は受信できない(送信設備が壊れるなど)可能性も十分に考えられますが、間違いなく一番災害に強いメディアとなりますので、ラジオ受信機は必ず自宅に用意しておきましょう。

      スマホへの充電が可能で、単体としても大容量のバッテリーを積んでいるラジオがオススメです。噴火のような災害の場合、外を出歩くことも困難になり、隣人との会話もままなりません。バッテリーを気にせず、常に音を流し続けられるようなしくみを普段から構築しておきましょう。

      風呂や容器に水を満タンに貯めておく。

      降灰状況によっては、長期間に渡って給水が遅れる可能性があります。

      水はどのような状況であっても必要なもの。飲む、洗う、流す。どのような場合にも必要となるので、水道が停止する前に、真っ先に水を貯めておきましょう。

      空いているペットボトルや缶に飲み水を入れておく。

      鍋やバケツなど、貯められるモノにはすべて水を貯めておきましょう。ゴミとして捨てたペットボトルや空き缶も、水を貯めるために使えます。ゴミ箱など、水を張ることができるものには、すべて水を入れておきましょう。

      水は、飲用食事用衛生用トイレ用の4種類があります。
      災害時は、生き延びるために、飲用食事用を最低限確保する必要があります。4リットル/日が目安です。

      水は、最低でも3日分、できれば10日分を確保しておくことが大切です。
      4人家族であれば、16リットル/日。3日間で、48リットル。10日間で160リットル必要な計算になります。

      Amazonなどで、5年保存可能なペットボトル24Lセットが安く売っています。

      上記で購入できるのは、ひとりあたり6日分の水(24リットル)になります。

      電気・通信が止まる前に、家族の安否確認を行う

      噴火から数時間以内に、電気が止まる可能性が予想されます。

      家族の安否確認を行い、できるだけ早く、自宅や避難場所、安全な建物に向かい、集合するようにしましょう。

      すべての機器を充電し、ガソリンや灯油は満タンにしておく。

      停電に備え、スマートフォンやモバイルバッテリー、マキタの掃除機、エネループ等の乾電池等、充電できるものはすべて充電しておきましょう。キャンプ等にも使える大きめのモバイルバッテリーがあると重宝するはずです。太陽光パネル付だとなおGood。家電を動かしたいのであれば、純正弦波のタイプを選んでおくと吉です。

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      自動車のガソリンについては、普段から満タンにしておくことが大切ですが、自宅近くにガソリンスタンドがある方は、確認してみてもよいかもしれません。ハイブリッド車などコンセントを複数備えている車も増えており、停電時には大きな安心を得ることができそうです。

      また、バッテリーの代わりに、ガソリンを使用する発電機を装備しておくのもひとつの手だと思います。ただし、火山灰の降る中では使えない可能性が高いです。

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      家の窓にガムテープを張る

      自宅の窓や玄関口から灰の流入を極力防ぐため、サッシや窓枠にガムテープを貼っておくのが有効です。ガムテープや養生テープは外出から戻ってきた際に体の灰を取り除くときにも使えますので、いくつか備蓄しておくとよいと思います。

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      また、家のなかの機器類は、ラップフィルムやジップロック等を使い、給気口などの穴を保護しましょう。エアコンや湯沸かし器など、外気にさらされているものについては、使用に最新の注意が必要です。

      江戸時代の生活が、1周間続くことを想定しておく。

      火山灰が3ミリ以上積もれば、長期間に渡って、停電・断水が発生、場合によっては医療すらも受けられない状態が続くことが予想されます。宝永火山は2週間にわたり続いたため、最大、3週間程度、非常事態が続く可能性も十分に想定されます。

      さて、江戸時代の生活が1〜3週間続くとして、そして、十分な医療支援が受けられない可能性すらあるとして、あなたは何を準備しますか?

      水も買えない、トイレもない…。事前準備がなによりも大切。

      水は買えないため、噴火がわかった時点で真っ先に貯める必要があります。トイレは、自宅トイレを簡易トイレ化する方法をきちんと憶えておきましょう。

      簡易トイレの作り方は、以下のサイトに、わかりやすく載っています。

      » 災害に備えるトイレ対策編 https://www.scrum21.or.jp/pdf/issue/bousai_toilet.pdf

      個人的には、猫砂と45Lブラックゴミ袋の組み合わせが一番安価で手軽かと思います。猫砂は給水・消臭効果があり、おしっこもウンチも、両方対応できるところがグッドポイントです。

      防災備蓄用品リスト(キャンプ仕様)

      さて、最後に、遠藤家用の防災備蓄品リストをご紹介します。4人家族、10日間の備蓄を想定しています。

      水・食料

      風呂に貯める水以外に、4リットル/日を用意しておきましょう。我が家は120L(4人で7.5日分)の備蓄を行っています。

      お米(無洗米)&即席麺(ラーメン)&パスタ

      お米だけであれば、5kg/月が目安に。5kgひと袋と、即席麺を40食分用意しておけば、家族4人で10日分持ちます。

      パスタも腹持ちがして便利ですが、茹で汁に使う水が勿体ないので、あまりオススメできません。時間がかからず、水が無駄にならない麺類(うどんや蕎麦など)は災害時に重宝します。

      ガソリンストーブ(カセットガスストーブ)

      ガスも止まることが想定されます。キャンプ慣れしている方は、ODガス缶や、ガソリンストーブ、そうでない方はカセットガス缶を用意しておくと良いでしょう。

      私はガソリンもODガス缶も使えるSOTOのストームブレーカーを用意しています。

      カセットガスを使う場合は、鍋のように大きなモノも安定する、カセットガスコンロを用意しておきましょう。

      カセットガスは、1日2缶分用意しておいた方が安全です。10日の備蓄であれば、20缶は用意しておきましょう。カセットボンベの燃焼時間の目安は、3.5kW(3,000kcal/h)コンロの場合、強火で約1時間です。一人暮らしの場合は10缶あれば十分かもしれません。

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      どのガス缶を選んだらいいかは、以下の記事にわかりやすくまとめました。特に東北や北海道などの寒冷地にお住まいの方は、ガス缶チョイスに注意が必要です。

      企業はBCP(事業継続計画)を立てておきましょう

      仮に富士山で大規模噴火が発生したとしても、なるべく早い段階で会社を動かし始めなければ、その先に待っているのは「倒産」です。交通網が麻痺、停電、物資の滞りなど、かなり厳しい状況が続く場合であっても、会社をどうにかして建て直さなければいけません。

      地震に対するBCPを作成している企業は多いですが、噴火に対するBCPはほとんどの会社で取り組まれていないのが実状です。BCP策定にお悩みの方は、わたくし遠藤に、お気軽にご相談くださいませ。

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