
こんにちは。行政書士の遠藤です。
私が事務所を構える東京都多摩西部、いわゆる「西多摩地域」(福生市、羽村市、あきる野市、青梅市、日の出町、瑞穂町、奥多摩町、檜原村)には、銭湯がほとんどありません。お隣の昭島市、八王子市、武蔵村山市にはあるのですが、昭島を過ぎると、パタッと無くなってしまうんですよね。
そんなお風呂過疎地域の西多摩に燦然と輝く大規模入浴施設、「フレッシュランド西多摩」さんが、2023年3月31日をもって2年間の休館期間にはいることが先日発表されました。

価格も結構リーズナブルで、3時間入っても500円と普通の銭湯並み。しかも温泉だけでなく、トレーニングルーム等も使えてこの価格。近くに事務所を構えているのに行かずに休館もなんだかなあ…と思い、行ってみることにしました。

場所は羽村動物園からほど近い場所にありますが、交通は不便。JR青梅線の羽村駅から歩くと25分、JR八高線の箱根ヶ崎駅から歩くと18分かかります。羽村市内の循環バスが入り口近くに停車するので、バスを使うか、自家用車が良さそうですね。
フレッシュランド西多摩さんは、西多摩衛生組合の環境センター横にあります。というのも、フレッシュランド西多摩の運営母体も西多摩衛生組合さん。
環境センター(ごみ焼却場)のボイラーで発生した蒸気は、大浴場のお湯を沸かしているだけでなく、露天風呂やサウナの熱源としても利用されているとのこと。立地が悪いのはある意味仕方ないですが、ゴミ焼却場といえども悪臭がするわけでもなく、澄んだ空気の良さげな空間です。


駐車場は都内では広めの作りになっており、駐車場代がかかることもありません。都内の温浴施設だと駐車場代かかりますからね。湯冷めすることなくドア・ツー・ドアで自宅まで帰れる。そこらへんは西多摩の良さかもしれません。

さて、駐車場と反対側にそびえ立つ建物が、フレッシュランド西多摩。さっそく行ってみましょう。

入り口近くにはタバコの吸殻入れが。喫煙所の文字は見当たりませんが、おそらく自由に吸えるポイントかと。これも改修後には撤去されて全面禁煙になっているかも。

入り口には大きな張り紙が。
「暴力団・入れ墨・タトゥ・泥酔・オムツの方の入場及び飲食物の持ち込みはお断りします。」
フレッシュランド西多摩のすぐ隣には、横田基地があります。米軍基地関係者であれば、結構な割合でタトゥーが入っている方もいるかと思いますが、東京オリンピックがあったとはいえ、入れ墨・タトゥへの目は厳しいものがあるようです。個人的には何とも思わないですが、びっくりされる方もいらっしゃるのでしょう。

入り口には案内看板が。光に反射してほとんど読み取れませんが…。どれどれ。
浴場棟:男女別浴室・露天風呂/福祉風呂/大広間/食堂/トレーニングルーム/リラックスルーム
上記空間を、3時間で500円で使えるのはやはりリーズナブル。
卓球コーナーは体育館棟にあるようですね。

入り口をくぐるとすぐに靴を脱ぐスタイルなのは通常の銭湯と同じですが、温泉感というよりも公共施設感あふれております。まあ自治体運営ではないですが、一種の公共施設ですからね。
靴を下駄箱に入れたら、その鍵を受付に預け、利用料を支払います。消費税込みでピッタリ500円。

さて、ここから入浴室に向かうわけですが、ロビーはかなり広め。左手に下駄箱、真ん中がロビー。座席は受付を背にテレビがある方向を向いて並んでいます。スーパー銭湯にあるような落ち着いた空間ではないですが、全体的に清潔感があります。

ロビーで一定数迷う人がいるからでしょうか、柱に風呂の方向が示されています。進んでいきましょう。

まずいちばん手前にあるのが「レストラン フォレスト」。
壁一面にメニューが貼ってありますが、
「かき氷」と「おでん はじめました」が同列に並んでるあたり、季節もへったくれもない、何でもOK!な感じがして良いです。とりあえずメニューを書き出してみましょう。
- とんかつ定食 800円
- 鶏の唐揚げ定食 680円
- 豚の生姜焼き定食 720円
- ミックスフライ定食 680円
- 鯖味噌煮定食 780円
- ハンバーグ定食 750円
- ヘルシー定食 750円
- かき揚げそば・うどん 560円
- ざるそば・うどん 450円
- わかめそば・うどん 520円
- かけそば・うどん 450円
- 山菜きのこそば・うどん 570円
- たぬきそば・うどん 520円
- カレー南蛮そば・うどん 580円
- きつねそば・うどん 520円
- カツ丼 750円
- 玉子丼 520円
- 麻婆豆腐丼 680円
- 海鮮あんかけチャーハン 850円
- 自家製叉焼チャーハン 650円
- チャーシュー麺 780円
- 醤油ラーメン 550円
- まんぷくカレー 980円
- かつカレー 830円
- 野菜カレー 680円
- 熟成ビーフカレー 580円
- 大盛り!まんぷくカレー 980円
- もつ煮 450円
- 焼き餃子 350円
- フライドポテト 350円
- 鶏の唐揚げ 550円
- 中華ちまき 180円
- おでん盛り合わせ 500円
- お子様プレート 500円
- フルーツみつ豆 450円
- ソフトクリーム 280〜380円
- かき氷 200円
- ビール 300円〜
- コーヒー 300円
- ハイボール・サワー 400円
- ソフトドリンク 200円
総じてリーズナブル。多品種少量生産な感じのなんでもいらっしゃい!なメニューですので、食べたいものが何かヒットするはず。ここまでやるならパスタも出してくれたら…と思いました。(一応レストランだし)

廊下を進むと、左手に大広間が現れます。
これ、本当に広くて、宴会場に使えるレベルの大きさがあります。巨大なテレビが奥に鎮座に、手前にテーブルが等間隔に並んでいました。お風呂上がりでしょうか、横になって休憩されている方が9割といった感じ。
これだけ広いと誰にも迷惑がかからないし、のんびりできる良い空間ですね。

されに廊下を進んでいくと、右手に見えてきたのがトレーニングルームです。
清掃されていたおじさま職員さん曰く、右壁側の機械以外は無料で使えるとのこと。トレーニングシューズを持参すれば、ランニングマシンとサイクリングマシン(ドア取っ手で隠れている機材)が使えるそうです。
ランニングマシンが2台、サイクリングマシンが1台と限られているので、混雑している時もあるようですが、お風呂前に一汗かいて〜な使い方ができるのはいいですよね。コロナ前であればもう少し台数が多かったかもしれませんね。

廊下を歩くこと30秒あまり。突き当りにあるのが温泉です。
男湯と女湯は週一で交代になるようで、今日は女湯が和風風呂、男湯が洋風風呂となっていました。
お風呂所感
結論、思っていたよりも、ずっと良い入浴心地でした。空前のサウナブームにより「整う」という言葉が流行っていますので、整い度合いを数値で示せば、55/100、くらいでした。(適当)
フレッシュランド西多摩のお湯は、汲み上げた温泉ではないらしく、「トロン原石を用い、大自然の恵みをたくみに取り入れトロン温泉を再現した準天然トロン温泉」を標榜しています。

何度も説明を読んでみたのですが、ちょっとよくわからない^^; 入浴したところその効果を感じることもなく、科学的には効能があってもその場での体感は難しいと思いました。濁りがあるとか、独特の匂いがあるとか、そういった特徴がないので、気持ち的に「なんかよくなった気がする!」という感覚が温浴効果以外は味わいにくいなーという感想です。
ではこの温浴施設の評価ポイントはどこにあるかというと、「快適さ」に尽きます。
まず、利用者が多くなく、混み合ってません。通常の銭湯並みの混雑具合ですが、温浴施設自体は銭湯の倍くらいの大きさがあります。平日の昼に訪れたのもありますが、若い人がほとんどおらず、高齢者の方々がちらほら。騒ぐ人もいないので、静かに利用できます。
また、よくある「リンスインシャンプー」と「ボディーソープ」の組み合わせではなく、「シャンプー」「コンディショナー」「ボディーソープ」の3種類が設置されており、泡立ちも上々。
内湯も熱すぎず、ぬるすぎず、といったところで快適。露天風呂は若干ぬるめの設定で、もう少し熱くてもいいのに、とは思いました。内風呂は打たせ湯があるのが特徴かも。ボタンを押すと、水が上から両肩に降ってくるスタイルで、結構気持ち良かったです。
サウナは6人掛けのものがあるのですが、コロナの影響で利用できず。3月末で休館ですので、この1〜2年間、誰にもサウナを使われることなく使命を果たせなかったサウナが若干不憫でした。
私が今回入浴したのは洋風風呂ですが、和風風呂のほうがなんか良さそうなので、休館前にまた来てみたいと思います。
改修後はどうなるのか?
2022年10月に発表された「フレッシュランド西多摩修工事 基本設計」によれば、
- 人工温泉トロンから天然温泉に変更
- 人気の熱気浴エリア(サウナ風呂)を拡張
- 温浴エリアの浴槽サイズや洗い場の数、配置等の見直し
- 外気浴エリア(露天風呂)の拡張と特色をもたせた浴槽を配置
- トレーニングルーム・リラックスルームを時代の変化に合わせて活用できるスペースに更新
(仮称)フレッシュランド西多摩修工事 基本設計(概要)より引用
とのこと。2年間の休業期間に大規模な改修がなされるようです。
天然温泉は、令和3年から10ヶ月間掘り進めた結果、温泉が湧き出たそうで、その分析書がHPにアップされていました。

PH9.0のアルカリ性、メタほう酸、フッ素イオンの2種類が鉱泉定義の基準を超えており、泉温も36度以上の立派な温泉。灰色微混濁微泥炭臭ガス発泡は多摩地区では珍しいようです。メタけい酸は30mg/kgで温泉法の基準である50mg/kgには達しませんが、こちらも美肌効果があるのだとか。
個人的には都心や横浜あたりの黒湯が大好きなのですが、黒湯は関東平野部の限られた場所でしか出ないのでそこは我慢。

基本設計に、改修後のお風呂についての具体的な設計図が記載されています。この図からは
改修前 | 改修後 | |
---|---|---|
風呂の種類 | 洋風浴室・和風浴室 | 月のお風呂・陽のお風呂 |
打たせ湯・半身浴バス | あり(各1台・2台) | 無し |
内湯の大きさ | 大きい | 小さい(天然温泉化) |
洗面台 | 14台 | 20台 |
サウナ室 | 定員6名 | 定員18名程度 |
水風呂 | 無し | あり |
露天風呂 | 普通の風呂 | 炭酸風呂化 |
上記のことが読み取れます。風呂場・サウナ室はかなり大規模な改修がされるようです。内湯については半分程度の大きさになっていますが、サウナが3倍の大きさに、水風呂も設置され、天然温泉化されるというのは個人的にはとても嬉しい設備更新です。
現状は3時間500円ですが、改修後の料金が気になるところです。さほどの変更がなければ、利用者はかなり増えるのではないでしょうか。
今日はこんなところで。ではまた!