中小企業診断士の勉強をやっていると、似たような意味のキーワードが多くて、頭がこんがらがります。ということで、今日はこのキーワードを深堀り!
3つのキーワードの意味とは
まず、それぞれの意味を調べてみました。それぞれ各サイトからの引用です。
ダブルチョップ
メーカーと小売業が共同開発した商品のことを指す。NB(ナショナルブランド)メーカーが、特別にそのチェーンのために同じ中身、もしくは仕様を一部変更したものを、パッケージを変えてその小売店のブランドネームで販売し、双方の企業名が併記されることからダブルチョップと呼ばれる。Chop(チョップ)とは商標のこと。SB(ストアブランド)と同じ意味である。
» ダブルチョップ – 流通用語集 – MD NEXT
ダブルブランド
「ダブルブランド」とは、ブランド戦略の1つ。複数の製品ラインを展開する際に、全体で統一的なブランドを採用しつつ、製品ライン毎にも個別のブランドを使用する手法で、市場(ターゲット顧客)は同質、製品ライン間は異質の場合によく用いられます。
» Q:ダブルブランドとは? – ほのぼの経営研究所
コ・ブランディング
コブランディングとは、複数の既存ブランドを組み合わせて一つの製品に用いること。主な利点としては、広く認知されている既存のブランドを複数結合させるため、説得力のある製品イメージを構築しやすい点にある。それにより、既存の標的市場において売上を伸ばすだけではなく、新たな消費者やチャネルの開拓も可能である。
» コブランディングとは? | 用語辞典
ふむふむ…
それぞれ具体例があったほうが理解が進みそうですね。ということで、家にあるもので具体例を探してみました。
まず、普通のプライベートブランドを見てみる。
家にあった、スターセレクトブランドの、アイスコーヒー。スターセレクトは、ライフとヤオコーが共同開発したプライベートブランドだそうです。
パッケージの裏側を見てみると、問い合わせ先はUCC上島珈琲になっていますよね。これがプライベートブランド(PB)。小売であるライフやヤオコーのブランド「スターセレクト」として、ナショナルブランドを提供しているメーカーである「UCC上島珈琲」と開発した商品を販売しています。
とくに「UCC上島珈琲」が製造元であることは強調していませんよね。ここがプライベートブランドの特徴です。
ダブルチョップの例
エリックサウスは、株式会社円相フードサービスが手掛ける、カレー店のハイブランド。八重洲、東京ガーデンテラス、虎ノ門ヒルズ、KITTE名古屋、グランフロント大阪等に出店しています。
そんなエリックサウスさんには「Web本店」があり、レトルトカレーやスパイスキットをwebで購入することが可能。さて、写真のレトルトにもしっかり「ERICK SOUTH」の文字が刻まれていますが、よく見ると左上に「S&B」の文字が!
裏面も、エリックサウス八重洲店の宣伝が大きく載っていますが、販売者の「エスビー食品株式会社」の文字が太字になっていますよね。ナショナルブランドメーカーが作っていて、小売のブランドネームで販売し、両方のブランド併記で販売している、ということで、これはダブルチョップの例となります。
ダブルブランドの例
サントリーの、オールフリー。
サントリーのビールといえば、プレミアムモルツが一番先に頭に浮かびます(想起集合)が、ノンアルだと「オールフリー」も「有名だよねー」なブランドのひとつ。商品パッケージの見える位置に「SUNTORY」も「ALL-FREE」も読み取れます。ただ、ダブルブランドとしてはちょっと弱い例かも。
「キリン・一番搾り」とか、「アサヒ・スーパードライ」とか「日清のどん兵衛」が分かりやすい例かもしれません。
これは家にあった試供品です笑
鉄・マルチビタミン入のサプリメントなんて山程ありますが、お美しい井川遥さんのボイスが脳内再生される「ディアナチュラ」ブランド、を展開している企業は「アサヒビール」株式会社になります。
CMでも「アサヒのサプリ、ディアナチュラ♪」と歌っていますよね。
さて、これもダブルブランドではありますが、ダブルブランドって「市場(ターゲット顧客)は同質、製品ライン間は異質の場合によく用いられ」るもの。でもこの商品の場合、【市場(異質)×製品ライン(異質)】、本来であれば「個別ブランド」でいいはずですが、ダブルブランドを用いている例になります。
個別ブランドは、通常「ポカリスエット」や「冷えピタ」のように、販売元の「大塚製薬」や「LION」を想起しないブランド単体での商品パッケージ、CM構成になることが多いです。
コ・ブランディングの例
コ・ブランディングの例が家になかったので、いらすとやさんより画像を拝借。
上記は、移動式のカフェをやられている鎌倉珈琲さんが、いらすとやさんのキャラをスリーブシールにあしらったコーヒーカップで商品提供を行うコラボキャンペーンの画像です。
いらすとやの画像が大好きで、飲み物にこだわりのなかった方が、「鎌倉珈琲を飲んでみたい!」と買いに行く…。まさに「既存の標的市場において売上を伸ばすだけではなく、新たな消費者やチャネルの開拓」を行っている例、と言えますね。
以上、ダブルチョップ、ダブルブランド、コ・ブランディングの解説でしたー。
街づくり行政書士の遠藤でした。ではまた!