京都の行政書士、本多智一先生の【2031年「誰でも日本一」計画】(日行連VOD研修)を拝聴した。
内容を端的に言えば、今後業務毎の寡占化が進むため、漫然と業務をやっていると生き延びることは難しくなる。特定の地域(事務所のある地域等)に誰よりも親しい行政書士になるのが良い道なのでは、という話だ。なるほど、と思うことの多い有益な講義だった。
そういえば、ランチェスター戦略には「弱者の戦略」「強者の戦略」という言葉が出てくる。
ランチェスター戦略の第一法則(一騎打ちの法則)であれ第二法則(確率戦闘の法則)であれ、差別化出来ていなければ兵力数の多いほうが勝つことになるが、弱者側の損失が少ないのは、第一法則となる。兵士の能力が同じだと仮定すれば、
第一法則では、
強者A軍 5人 弱者B軍 3人であれば、一対一の戦闘なので5 – 3 = 2 がA軍の残存兵力として生き残ることになる。弱者B軍がA軍と均衡するためには、自軍の能力を5/3倍にあげるか、2人自軍を増やすかのどちらかしかない。
第二法則では、相手から受ける攻撃量を考える。
A軍5人はB軍3人から攻撃を受けるので、3/5の確率で攻撃を受ける。B軍3人はA軍5人から攻撃を受けるので、5/3の確率で攻撃を受ける。つまり、攻撃を受ける割合はA軍:B軍 = 3/5:5/3 = 9:25となる。
この9と25という数字は、初期兵力数の2乗であり、残存兵力は2乗の差の平方根で表すので、25 – 9 = 16 の平方根、4人が強者A軍の残存兵力、ということになる。強者であるA軍にしてみれば、第二法則に近い形での闘いが有利となる。
これを踏まえ、開業して日の浅い行政書士がどう生き残るかを考えると、どう考えても第一法則を選んだほうが良い、ということになる。第一法則に支配される闘いとしては、
・狭い範囲の局地戦・接近戦
・一人ひとりしか狙い撃ちできない一騎打ち型の兵器を使った戦闘
となる。さて、これを踏まえて本多先生の講義動画を見れば、地域と共生しながら行きていく行政書士像は、至極納得の結論なのだと理解できる。広域戦・確率戦ではなく、局地戦にて闘うことが、弱者の戦略だからである。
端的に言えば、全国を相手にした集客HPサイトを作って価格競争に挑むのではなく、狭い地域をターゲットとし、地道にアプローチしていく戦略をとったほうが良い、ということである。
地域を知る、地域に知られる努力をもう少し増やしていこうと、胸に刻んだ。