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      アナエロビックコーヒーが手軽に飲める時代。

      こんにちは。行政書士の遠藤です。今日は少しコーヒーのお話。

      突然ですが、「あなたの趣味はなんですか?」

      私は、そう聞かれると返答に困ってしまうタイプの人間で、とっさに「…映画鑑賞、散歩ですかね」と答えるものの、映画マニアほど観てないし、最近はバイク移動が増えたし、趣味ってなんだろう、とモヤモヤしていたんですね。

      あるときコーヒーを飲んでいたときに、もしかして「これも趣味?」と思ったわけです。とくに「鼻がいい」という訳でもないのですが、「お香」や「アロマオイル」も好きだし、「VAPE」も好きだし、もしかして「香りを楽しむ」のが俺の趣味なのでは…?と。「燻製」も好きだし。

      そんなこんなで「香り」の強いコーヒーが好きでして、主に愛飲していたのは、奥多摩駅2階のGottaCoffee(ガタコーヒー)さんで販売していたイルガチェフェナチュラル中深煎り。イルガチェフェなのに酸味がしっかり抑えられていて、深いコクとワインのような豊穣な香り。まさに複雑系の味わいで、奥多摩のクラフトビール屋さんVERTERE(バテレ)の Coffea(コフィア)の原材料にも使われていた、素敵な豆でした。

      最近は奥多摩に行くことも減り、ネットで購入できるものを探していたのですが、最近出会ったのが「パン工房 ガウディ」さんのコーヒー豆。「大山珈琲」の別名も。

      注文してから焙煎してくれます。届くまで3日ほど。

      いろんな品種の豆を扱っているのですが、アナエロビック(嫌気性発酵)の豆も多く扱っているんですよね。

      アナエロビックとはなんぞや?という方のために少しだけ説明。

      例えば、商品欄に「エチオピア イルガチェフェ コチャレ アナエロビック ナチュラル」

      と書いてあったとしましょう。

      これは、エチオピアという国のイルガチェフェ地方の、コチャレ地区で採集された、ナチュラル(非水洗式)精製の、アナエロビックファーメンテーション(嫌気性発酵過程)を経たコーヒービーンズですよ、という意味になります。

      そもそもコーヒー豆はアラビカ種とロブスタ(=カネフォラ)種に大きく分けられますが、これはインディカ米とジャポニカ米くらい異なる味になるのに、特に記載されていないことが多いです。これは、「秋田産ならジャポニカ米だよね」くらいの常識として、収穫する国でおおよそ判別できるのでわざわざ明記していない、と考えて良いと思います。エチオピアのイルガチェフェなら、当たり前にアラビカ種だろう、という推測が働くのです。

      こう書くと、「茨城県でもあきたこまち、コシヒカリ、両方生産してるじゃん」と言われそうですが、その通りで、「パールライスはジャポニカ米だよね」くらいの大雑把なくくりが「エチオピア産はアラビカ種だよね」であり、アラビカ種のなかでもティピカ種、みたいなものは、正直わかりません。というのも、地域で収穫したコーヒー豆を混ぜ合わせて販売していることが多いようで、地域別で購入するのが一般的のようです。「あきたこまちとコシヒカリを混ぜた『茨城産』の米」を買っているようなイメージです。生産者や農園別に購入したいのであれば、「シングルオリジンコーヒー」を買うことになります。長くなるので説明はまた別の機会に。

      さて、「エチオピア イルガチェフェ コチャレ」まで解決しました。残りは「アナエロビック ナチュラル」ですね。

      アナエロビックと書いてないものは、好気性発酵、アナエロビックと書いてあるものは、嫌気性発酵です。

      コーヒーの精製過程において、コーヒー果実の果肉を除去して水で洗浄し、発酵によってミューシレージと呼ばれる粘液質を取り除くという工程があります。この発酵過程で、空気に触れさせるものが好気性発酵、無酸素状態で行うものが嫌気性発酵です。

      世の中にこれまで流通していたのは、100%が好気性発酵でしたが、ここ数年で状況が変わってきました。嫌気性発酵の技術が登場し、これまでとは大きく異る風味付けができるようになり、アナエロビックコーヒーと呼ばれるものが次第に流通し始めています。これまでのように、「産地名」だけでは味の予想が付きにくく、また、発酵過程で酵母を投入するなど、豆以外の要素による味付けも可能になることから、豆本来の風味なのか分かりずらいという負の側面もあります。

      私個人としてはいろんな味のコーヒーが流通することは良いことだと思いますし、VAPEのようにいろんなリキッドを味わうがごとく、豆を選べるようになると楽しいな、とも思います。ただし、消費者と生産者の情報の非対称性が大きくなるのは間違いないので、正しい情報開示があってこそのアナエロビックかな、といったところです。

      最後に「ナチュラル」の説明をば。

      水を使わず乾燥させる、ナチュラル精製。

      コーヒーの精製過程において、コーヒー果実の果肉を除去して水で洗浄する、まさに「水で洗浄する」ことを「ウォッシュド」、果実を剥かずに数十日乾燥させることを「ナチュラル」と呼んでいます。水洗浄のあとにミューシレージ(粘液質)を取り除く発酵過程があるわけですが、その前にも好気性発酵の過程が入るのが「ナチュラル」という訳です。酵母の働きでウォッシュドでは考えられないような風味を感じられることがあります。

      大量生産大量流通に向いているのは品質が安定する「ウォッシュド」です。現に、「ナチュラル」は安定した精製が難しいようで、流通量はかなり少なめです。

      ようやく全体の説明が終わりました。つまり、「アナエロビック ナチュラル」とは、好気性発酵しながら乾燥させたあとで、嫌気性発酵もさせとるで~、というお豆さん、ということになるはず、ですが、「アナエロビックナチュラル」を果肉をつけたまま嫌気性発酵させることを表す場合もあるようで、好気性発酵の過程が入ってるかどうかはケース・バイ・ケースかも。

      さて、ここからが本題。(話が長い!)

      ここ最近の「アナエロビック」ブームに全然乗れておらず、飲んだこともなかったので、今回注文して飲んでみましたよ、というのが話の主題でした。「エチオピア モカ イルガチェフェG1 コチャレ 7Days アナエロビック 2022年クロップ」を注文したのですが、他にもナチュラル精製のお豆さんをいくつか注文。

      イエメン モカマタリNo.9 ナチュラル

      茶色のアルミバッグで届きますので、そのまま冷暗所に保管すると良いと思います。

      1回の注文量が400gなので、飲み切るのにそこそこ日数がかかります。開封したらキャニスターに仕舞ったほうが良さげですね。

      シールを剥がしてテープでベタッ

      私が使っているキャニスターは、1500ml用。生豆400gなので、焙煎して350g前後でしょうか。すべて移しても容積の7割くらいなので十分な大きさです。

      酸化を防ぐ空気弁がついているのが特徴のようですが、毎日蓋を開け閉めするので、そこには期待していません。

      日付ダイヤルが便利すぎる

      ではなぜこのキャニスターなのか。それは、日付ダイヤルが上部についていること。

      真ん中にある銀のダイヤルが「月」、外側のダイヤルが「日付」を意味します。購入日にダイヤルを合わせることで、豆の鮮度がおおよそわかる。キャニスターが複数あっても、古い豆から飲もう、と意識が働くのでとても便利なんです。

      安定のV60シリーズです

      さて、肝心の味ですが、これは皆さんのご想像におまかせします。

      アナエロビックのような予想の付きづらい味を事細かに語ると、せっかくの楽しみを奪ってしまいますからね。

      特徴的な豆が、都心の喫茶店に行かなくても手軽に飲めるようになった素敵な時代に生まれてきて良かった~、なんて思いながら珈琲を啜る休日を過ごしたのでした。

      ではまた!

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